あの約束は今もまだ2《S.S》 (ページ32)

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そして、私がニノと本格的に同棲し始めた頃、翔くんが結婚して弁護士を辞める、というニュースが流れるようになった。

結婚相手は、あの時鉢合わせした婚約者さん。

深田ユウナさんというらしい。

あれからうまくいってるんだな、とほっとする反面、未だに複雑な気持ちになってしまう自分がいて、イライラする。

ニノはそんな私の気持ちまでお見通しで、まだ好きなの？と頻繁に聞いてくるようになった。

「もう好きじゃないって。何回も言ってんじゃん」

二「だって、Aの心の中にいるショウくんが最近チラチラ顔を出してるんだもん」

「意味わかんない。心の中にいる翔くんって何？」

ニノの腕の中で、何度も同じやりとりを繰り返す。

あれ以来、ニノに触れられたくないと思うことは一度もない。

二「Aのここにね、小っちゃいショウくんが住みついてるの」

「どさくさに紛れて胸触るな！笑」

二「いいじゃん。でも今日はいつもよりいっぱい触ったからもう満足」

「あっそ」

二「なに照れてんの。気持ちよさそうな顔してたくせに」

「…うるさい」

翔くんはきっとユウナさんと結婚して、私はきっとこのままニノと結婚する。

絶対ニノはありえないって思ってたのに。

今ではニノとの未来しか考えられない。

私は、午後の日差しを浴びながら、ニノの腕の中でうとうとと昼寝した。