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ソファの上で天井を眺めながら、ここ数日のできごとを思い出す。
始まりは、翔くんとの再会。
約束のこととか、少し気になることはあったにせよ、結構楽しく過ごしていた。
でも、翔くんには婚約者がいて。
日本に帰ってきたとき私に連絡をくれなかったことも、初めて再会した日に玄関先でごめんって言われたことも、婚約者がいたなら辻褄が合う。
それで、翔くんの本当の気持ちを聞くのが怖くて、逃げた先はニノの家。
なんとなくの雰囲気でニノと付き合うことになった。
考えてみれば、私は翔くんと再会して付き合おうってなったわけじゃないから、ニノと付き合うことは別に問題なかった。
はずなのに。
何かあるたびに思い浮かぶのは翔くん。
会いたい、話をしたい、と言われて心はグラグラで、あの本当に楽しそうな笑顔を思い出しては涙が止まらなくなった。
好きだった。
翔くんが、好きだった。
その一方で、翔くんの結婚をお祝いしたい、翔くんの人生を邪魔したくない、という気持ちも確実にある。
………結局、私はどうしたいんだろう。
翔くんは、私と話したがっている。
ニノは、ずっと寄り添ってくれていたけど、今は少し距離を置きたがっている。
じゃあ、私は…？
翔くんのことだって、約束を果たしたいのか、もう縁を切りたいのか、それとも、強引にでも婚約者から奪いたいのか…。
何も考えられない。
考えたくない。
頭痛と吐き気に襲われる。
………一旦、離れてみようかな。
そしてまた、新たな気持ちで再会したい。
今はたぶん、冷静に話すことなんてできないと思うから。
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作者名：はつる | 作成日時：2017年2月17日 19時
