61 -Jun side- ページ20
ご飯を食べ終わって、しばらくテレビを見てると、えりかが眠いと言いだした。
えりか「ニノくんどこで寝る？あ、潤くんと寝る？」
二「お、いいねー俺じゅんくんと寝るー！」
潤「は？え？何言ってんの？」
えりか「じゃあ私あっちの部屋に布団敷いて寝るねー」
二「うん、えりかさんおやすみー」
えりか「おやすみー」
潤「………。」
いやいやいやいや。
意味わかんねぇし！
二「さあ、まつもっさん、一緒に…」
潤「俺ここで寝るから二宮先生あっちのベッドで寝ていいよ」
二「……ふふっ」
潤「え？何怖いんですけど」
二「いや、本当に一緒に寝ると思った？」
潤「………。」
え、また俺遊ばれてんの？
二「大丈夫、俺ソファで寝ます」
潤「あ、そう…」
二「それにしても、あなたの奥さん随分気が利くみたいで」
潤「え？」
二「こういう話は男同士のほうがいいでしょっていう配慮なんじゃないですか」
潤「…そっか、それもそうですね」
二宮先生が、俺のと自分のにお酒を注いだ。
二「まつもっさんってさ、好きでもない女の子と付き合ったことある？」
潤「急に何の話ですか」
二「いいから。ある？」
潤「んー、昔はあったかも…？」
二「俺そういう女の子まじで尊敬するわ」
潤「………？」
二「自分のこと好きじゃない人と付き合うって、想像以上にきついよ」
ああ、そういうことか。
やっと話が見えてきた。
二「この人どこ見てんだろう、俺のこと見えてんのかなって思うことがよくあってさ。俺のこと見ろよって思うじゃん。無理やり見させようとして手出そうとするじゃん。そうすると突き飛ばされるじゃん」
いつか、川崎先生が『ニノに襲われたら殴ってやる』とか言ってたっけ。
あの時は口から出まかせで言ったのかと思ってたけど、本当に突き飛ばしたとなれば話は変わってくる。
二「そこまでいっても見てなかったよ、俺のことなんて」
潤「………。」
二「あの人の頭の中はずっとアイツでいっぱいなんだよ」
俺は、何を言ってあげたらいいのかわからなくて、黙り込んだ。
たぶん二宮先生も、慰めの言葉なんて求めてなくて、ただ話を聞いてほしかっただけ。
俺は黙って二宮先生のお酒に付き合った。
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作者名：はつる | 作成日時：2017年2月17日 19時
