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電源を入れると、一気に入ってくる、翔くんからのメッセージと不在着信。
“Aと話がしたい”
“会いたい”
“どこにいるの”
“お願い、気づいて”
“もう一度だけでいいから、会わせて”
やっと気持ちが落ち着いてきたと思ったのに、翔くんの笑顔が見たくなってしまう。
私、やっぱり翔くんが好きなんだ…。
否が応でも気づかされる。
「………っ」
潤「川崎先生？どうしたんですか？」
二人に背中を向けたまま固まる私を見て、心配する松本先生。
二「あ、あいつのLINE見ちゃったとか？」
「………。」
二「図星かよ」
潤「え？あいつって？」
ニノが近づいてきて、私はさっとLINEの画面を閉じた。
あからさまに見せたくないという感じの私を見て、ニノは少し寂しそうな顔で、私を抱きしめた。
二「…大丈夫だから」
「………。」
二「幸せになるんでしょ？」
「……うん」
潤「え？何？何が起きたの？」
戸惑う松本先生を気にせず、ニノが続けた。
二「幸せにしてあげるから」
「……うん」
二「それとも戻る？」
「……ううん」
大丈夫、戻らない。
失恋したら誰だって落ち込むんだから。
初めは落ち込んでも、みんないつかは忘れるんだから。
私だっていつかは翔くんのことを忘れるし、翔くんだって、いつかは私のことを忘れる。
……忘れちゃうんだ。
寂しい。
悲しいよ。
ずっと憶えていてほしい。
こんな逃げてるくせに図々しいけど、翔くんには憶えていてほしい。
潤「あのー、付き合ってるんですか？」
二「うん、まあね」
潤「あのイケメン弁護…」
二「それ地雷」
潤「……すいません」
翔くん、会いたいよ。
でも、もう忘れたい…。
私の気持ちは今、真っ二つに分裂してる。
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作者名：はつる | 作成日時：2017年2月17日 19時
