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「…え」
私は言葉の意味が理解出来ず、顔を触ると口角が上がっていることに気がつく。
ぞわり、と自分自身への鳥肌が立った。
目の前の原型を留めていない父、その先に広がる地獄絵図。
ひどく混乱する頭を抱えながら私はまた息が止まりそうになる。
そして目の前にいる彼を見れば、私を見てほくそ笑んでいた。
「くく、面白いな実に愉快だ
お前のようなのは初めて見る」
「…っねがい」
「ん？」
お願い、お願いだから
「っ私を殺して…」
そう彼に伝えると、また彼は笑った。
そうかそうかと顎を掴んだ手を離して後頭部に手を回される。
さらにぐっと近付けられた顔は互いの鼻が当たりそうだ。
「同胞が死んで存在する意味をなくしたか？
いつか皆殺しを企んでいた夢が壊されたか？」
そうじゃない、と否定するも私には何もわからなくなっていた。
いつの間にか笑っていた罪悪感なのか、家族が死んで行く宛てもないからなのか、先程自分で命を投げ捨てようとしていたからなのか
「良い良い、答えずも分かる
その痣だらけの肌を見ればあれを憎むのも」
別の腕で私の腕があげられると露わになる痣。
また別の腕で私の胸元を晒されるとそこにもいつもの様に家族から受けた痣が存在した。
「日光にはあまり当たっていなかったのか？
肌が白い分余計に目立つ」
出られるわけが無い。
日が昇る頃に外を出れば村の人からの軽蔑の眼差しを向けられコソコソと謗言を吐かれるだけなのだから
唇をかみ締めていると私は彼によって抱き抱えられた。
目の前には両面宿儺の顔、彼の目で捉えられた私は視線を逸らすことが出来なかった。
「俺は今機嫌が良い、今は殺さないでやろう。
それに楽しめそうだ」
そう言って私は彼によって身を投げようとしていた真っ暗な景色の向こうへと連れていかれた。
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りんご - お願い 終わらないで (2022年2月13日 18時) (
レス) @page34 id: 220ab80aca (このIDを非表示/違反報告)
陽菜月 - んぐ…〜！！(宿灘様の愛しているは核ミサイル級だわー…☆) (2021年4月5日 1時) (レス) id: 6820255b8b (このIDを非表示/違反報告)
美琴(プロフ) - え、死にそうなくらい好きです（泣）そしてとても儚い (2021年3月23日 23時) (レス) id: 8087b8e5a0 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 違和感なく読めて、しかもキャラの性格もあまり崩さず凄く読みやすかったです(´TωT｀)更新頑張ってください！！ (2021年3月20日 16時) (レス) id: 2984822c22 (このIDを非表示/違反報告)
√ - 宿儺推しとしてめっちゃくちゃすきです！更新頑張ってくださいね！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: c890e5f159 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のあ。 | 作成日時：2021年2月9日 21時
