無気力なメカクシ団No.13の少女は烏野高校３年生なのです← if 【ハイキュー!!】【カゲプロ】 (ページ29)

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第６７話ページ29

『……時間ピッタリだね』

指定された場所にたどり着くと、
Aは石でできた教卓のような台に座っていた。

いつもサイドテールの藍色の髪は下ろされていて、Aの動きに合わせてふわふわと揺れていた。

服もいつもと違う。
袖が長いヒラヒラしたワンピース。
真っ白なそれは藍色の髪がよく映えている。

「A……」

「姉さん……」

神妙な面持ちで皆がAを見る。

たった１週間。
その間に何がこんなに人を変えるのか。

『……みんな、ごめん。
僕は自分勝手な理由でこんなことをする。
けれど、必ず成功させるよ。未来はみんなが手にするんだ！

だから、少しだけ。眠って……？』

ｽﾞｯ……

Aが手を伸ばした先はヒビヤの後ろ。
驚きで固まるヒビヤが少しずつ、振り返った。

「何すんだよ……A」

『それはこっちのセリフだよ。
隙あらばみんなに入りこもうとするな。
キミの主導権は既に此方が握っているんだ。
なぁ、クロハ』

赤い目を灯したAが低く言い放つ。

それは１匹の黒い蛇だった。
クックッと笑う蛇の声。
地を這うような声が薄暗くなりつつある建物内に響く。

「【写す】で【醒ます】をコピーしたか……。
無駄だよ、A。
お前に女王のような力は無い！
集約の力がなけりゃお前は儀式の遂行なんてできない！

この世界も！また！繰り返すんだよ！！

お前が何度救おうと足掻いても！
全ては無駄なんだよ、A！！！」

『…………無駄なんかなかったさ』

ﾌｯとAは笑った。
それは全てを受け入れる聖女のように、柔らかく。