第63話 ページ25
凄い勢いで引っ込んだスタッフに代わって出てきたのは上品なおじいさんだった。
「当ホテルにご予約ありがとうございます。
私は支配人の本田敦と申します」
「え、に、日本人!?」
「おいモモ」
「A様名義でご予約してくださった方々ですね?どうぞこちらに……」
一目で上質だとわかるスーツに身を包んだ本田さんはゆっくりと、丁寧な動きで俺たちを誘う。
「あの……」
「はい?」
「Aとはその……、どういう……………………」
綺麗な階段を上りながら疑問をぶつければ、本田さんはあぁ、と頷いてから話し出す。
「A様は私どもの恩人なのですよ」
「Aが?」
不思議そうにセトが聞き返す。
ぶっちゃけ俺も不思議でならない。
「今から3年ほど前になりますかな。
経営難だった私どもを救って下さったのは」
なんでも3年前、経営不振だったこのホテルのスポンサーに
名乗りをあげたのがAだったらしい。
今までにない事業の展開、宣伝等。
その手腕や売り込みの成果が繋がり、今に至るそうだ。
芸能人御用達のホテルになり始めたのも今年かららしく、
現在のホテルの鉄則、【信頼第一】を胸に送る日々だという。
「…………そっか、Aって一応社長さんだもんね」
「忘れがちッスよね、あんなにずっと過ごしていたッスから……」
「Aさん、凄い人なんだね」
皆が口々にAへの言葉を口にする。
3年前だから……中学の時なのかな。
やっぱスゲーべ。
誇らしげに、本田さんが笑った。
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作者名:ベルリラR* | 作成日時:2017年6月12日 16時