青い龍と姫君《 A BLUE DORAGON スピンオフ》 (ページ5)

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卒業《1》ページ5

桜の蕾が目一杯膨らんで、
春になるのを今か今かと待ち望んでいる季節。

私たちは、高校卒業を迎えた。

無事に、卒業式が終わったと思ったら。

たくさんの同学年の人からは、写真を撮ってほしいと頼まれ。

後輩には、“STORMS”関連のことで質問責めにあい。

生徒玄関の前の広場で慌ただしい時間を過ごしていた時のこと。

栗「Aっ！」

と、親友の可愛らしい声が遠くから聞こえた。

「なにーっ？」

わたしも、彼女に聞こえるくらいの声で返事をすると。

栗「時間っ！やばくない！？」

と、焦っているような声で手招きをしているのが見える。

学校の時計を見たら、…かなりやばい。

「えっ、もうこんな時間！？」

栗「ばかっ！早く行くよ！」

「うん！」

私を囲む大勢の人だかりを謝りながらくぐり抜け、
“早く早く！”とせかす栗ちゃんのところへ走る。

高校を後にして目指す目的地は、彼らの本拠地。

これから、もうひとつの卒業式が始まる。