烏は猫に恋をする-守護神- (ページ10)

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10話ページ10

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合宿初日。

私は昨日の夜に少しだけ烏野と音駒の関係について調べてみた。

5年前くらいのやつかな。

翌6月ＩＨではどちらも残ることができず、本番をすることは叶わなかった。

そして翌年3月

どちらも県代表枠を獲得し、出場。

___が、烏野は第3回戦で破れ

音駒は準々決勝で烏野を待つも対戦は成されず。

音駒も準々決勝で敗退。

幾度となく練習試合を重ねても、公式の舞台で本番をやることは叶わぬまま。

両校の監督は引退。

それを期に、両校は衰退の一途を辿ることとなった。

『ゴミ捨て場の…決戦』

公式の舞台で…本番を生で見れたなら。

どれだけ幸せだろう。

『おはよーさくちゃん』

｢おは〜｣

私の前の席にいるさくちゃんにいつも通り挨拶。
いつも通りだけど、いつもと違う、そんな感覚。

｢なんかそわそわしてんね、今日？｣

『えっわかるの…』

そりゃあね、と笑いながら言われる。

そんなに分かりやすいかなぁ…。

『今日からなんだ、4日後には音駒っていう東京の高校と練習試合があってね』

烏野と音駒の因縁をつらつらと話す。

『でさ……あっごめん話しすぎちゃった』

｢ふふっ、いーよ、Aのそんな楽しそうな顔なかなか見れないし｣

『うわ、イケメンすぎるよ…』

女の子なのにそこらの男子より断然かっこいい事ができちゃうさくちゃんは、案外女子のファンが多い。

バスケ部の次期主将とも言われてる。

『幸せ者だ〜』

｢なに急に｣

こうやって話してる間にも、頭の隅では合宿のことばっか。

____
——

｢東雲、外ばっか見てるんじゃないぞ〜｣

『あっすみません』

———

｢東雲そわそわしすぎ｣

『えっ！？』

今日の授業ではことごとく注意されまくった。

そんなにわかりやすい！？
私そんなにソワソワしてるつもりないんだけど！！

はっずい！

『うぅ〜〜〜……はぁ』

もういいし、別に、もう放課後だし…。

さくちゃんにも宥めてもらいながらやっとこさ放課後。

ばいばいと体育館前で別れる。

『こんにちは！』

放課後の体育館はなんて輝いているんだろう。

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