27話 ページ27
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「とは言ってみたものの、上ばっか見てると足掬われることになる
大会に出て来る以上、負けに来るチームなんかいねぇ、全員勝ちに来るんだ
俺たちが必死こいて練習してる間は当然他の連中も必死こいて練習してる
弱小だろうが強豪だろうが、勝つつもりのやつらはな
それを忘れんなよ」
___そんで
そいつらの誰にも、もう
"飛べない烏"なんて呼ばせんな。
緊張感漂う空気中、勢いよく扉が開く。
「みんなまだ居るー！？」
慌てて来た武田先生はあるプリントを掲げていた。
「出ました！ＩＨ予選の組み合わせ！」
澤村さんが受け取り、それをみんなが覗き込むように見る。
「……1回戦勝てば…2回戦伊達工も勝ち上がってくれば当たりますね」
……そんな早い段階で鉄壁と当たるなんて。
「それだけじゃないですよね、ウチのブロックのシードにいるの青葉城西ですよ」
『うっわ…』
まさか青葉城西も同じブロックだとは思わなかった。
「おい、さっき言ったこと、忘れてねぇよな」
さっき言ったこと、足掬われるってことだよね。
「わかってます。
目の前の一戦、全力で獲ります」
_____
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はぁ、ねっむい……。
私の席は窓側左の列ってこともあって日当たりがいい。
『あぁー眠い』
「おはよ」
ん、この声は。
『おはよーさくちゃん』
私の前の席に荷物を置きながら挨拶してきたのはやはりさくちゃんだった。
「なーに？寝不足？」
『いや、ちゃんと寝てるはずなんだけどね、暖かいからさ』
するとさくちゃんはニヤリと笑った。
え、なに、何その顔。
「やくさん、って人が関わってたりして」
『へ！？
ち、違うよ！！』
ほんと〜？と未だにニヤニヤしながら聞いてくる。
『ほんとだよ、あっちだってＩＨ予選近くて集中しなきゃだろうし、私だって部活のこと頑張らなきゃだし…』
あれから数回やり取りをしてたけど、邪魔にはなりたくないから控えてる。
『ちょっとねる…』
暫くすると先生が入ってきてHRが始まった。
「きりーつ、れい」
『一限目なんだっけ〜』
「んっとね、」
最初の授業の確認をしてると教室の前の扉から「東雲〜3年生が呼んでる！」と声をかけられた。
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作者名：ふゆ | 作成日時：2024年2月25日 2時
