26話 ページ26
・
『返事来てるのかな、来てなかったらどうしよ』
送信を押す時同様、覚悟を決めてスマホを開く。
1件のメッセージの通知に心臓がドキリと跳ね上がる。
時間を見ると、私が送った数十分後には返事が来てた。
《お疲れ！！
こちらこそありがとー！》
『は、はぅ…っ』
こんな少しの会話。
当たり障りのない会話。
わかってる。
わかってるんだけど…。
なんだか力が抜けて正面からベッドに倒れ込む。
あーーやばいかも、これ。
その日の夜は心臓がうるさくて暫く寝付けなかった。
___5月中旬
今日も今日とて練習はキツそうです。
清水さんがボールをコーチに渡しているので、私はボール拾いに専念しています。
流れ弾来そうでちょっと怖いな〜。
「ナイスだ日向！」
レシーブした日向が後ろに吹っ飛ぶ。
簡単そうでやっぱり難しいんだろうな。
体育のバレー感覚でやったら腕もげそう……。
練習が終わり、ドリンクなどの片付けも終えて体育館に戻ると、なにやら騒がしかった。
『どうしたの？』
「お、Aか、今月バリ見てんだよ！
その中に宮城のウシワカってやつも載っててさ〜」
田中が月バリを見せながら説明してくれた。
宮城にそんな凄い選手居たんだ。
『へぇ〜、牛島若利、か』
ほぉ、牛島若利、略してウシワカか。
覚えやすい！
「そいつを倒さないと、音駒とは戦えない……」
『音駒……！そっか』
「コラコラ、白鳥沢だけが強敵じゃねーぞ」
『他はどこですか？』
「去年のベスト4とか？」
「それももちろんだが、今年は他にも強敵がいる、そうだな……まずは___」
レシーブ力の高い「和久谷南」
鉄壁の「伊達工業」
そして、私が入部する前に練習試合をしたらしい「青葉城西」
「ここは去年のベスト4だな」
最後は言わずもがな「白鳥沢」
これが烏養コーチが考える"俺的今年の4強"らしい。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 306人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふゆ | 作成日時：2024年2月25日 2時
