24話 ページ24
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戻って片付けの手伝いをする。
はぁ……。
「どうしたの？」
残り少ないイスを片付けていると、清水さんが話しかけてきた。
そりゃあため息吐かれ続けたら嫌でも気になっちゃうよなぁ。
話すか話すまいか悩んだ末、話すことにした。
『じ、実は、私……。
ちょーーっと気になってる人が出来ちゃったかも、しれないです』
そう言った瞬間、清水さんの目がキラキラしだした。
「それ、詳しく聞きたい」
え、えぇえ。
_____
——
『すっごくいい試合でしたね！』
「本当だね、みんな好敵手が見つかったみたいでいい表情になってる」
『！！ですね』
清水さんも凄くいい表情ですよ、なんて言ったら恥ずかしがっちゃうかなぁ。
「友よ！また会おう！！」
え"？
田中とモヒカンくんじゃん。
何アレ、やば。
他にも、向こうの主将さんと澤村さんもニコニコしながらギチギチの握手してるし。
コーチ達なんかは隠す気も無いようでミチミチと握手してる。
怖いわぁ。
あ、リベロさんもいる。
「Aちゃん、次いつ会えるかわかんないけど、いいの？」
『う、よくないです』
よくないけど…。
「ほら、もうすぐ挨拶だと思うよ」
清水さんに急かされ、少しずつリベロさんに近づく。
ふぅ……。
『あ、あの』
背後から急に声をかけてしまったせいでリベロさんは体をビクゥっと跳ね上がらせた。
「！…あ、さっきの」
『し、東雲です。2年です』
「東雲か！俺夜久、3年！」
なんかめっちゃ自然な流れで自己紹介出来ちゃった。
「あ、んで？なんか俺に用だった？」
あーもう戻れないぞ私。
名前だけ聞いて去るとかちょっとおかしいし。
『連絡…を…』
「ん？」
『連絡先交換してくれませんか！！』
やらかした…？？
夜久さん凄く驚いてるんだけど。
周りは相変わらずガヤガヤしている中、私たちだけシーンとしていた。
「わ、わりぃ、びっくりした」
『いえ、突然ですみません』
びっくりしたと言いながら携帯を出してくれる。
「はい！これ俺の」
『っ！！あ、ありがとうございます！
連絡、とか、してもいいですか』
「おう！全然いいぜ！」
『夜久、えい…？』
「やく、もりすけだ」
夜久衛輔……。
やばい。
清水さんありがとう。
ほんと、ありがとうございます。
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作者名：ふゆ | 作成日時：2024年2月25日 2時
