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23話 ページ23





私の視線は自然と音駒のリベロさんに向いていた。


「守りの音駒」の…守備のエース。






かっこいいなぁ……。




「あざス!!」




『っ!?』



あ、いつの間に烏養コーチの話終わってたんだ。


い、今私…。

いやいやいや、さっきのは、ねぇ?

ただ……。



『ぁ、すみません私お手洗い行ってきます!』



清水さんに一言入れてからトイレに向かった。


何故か少し熱くなってる顔を見られないように、早く冷まさなきゃ。


トイレに着き、鏡の前で手をパタパタさせながら顔を冷ます。



『はぁ……びっくりした』



うん、いい感じ。
落ち着け私。



気持ちも顔の熱も落ち着いてきて、トイレのドアを開ける。



急いで戻らないと!



体育館に戻る道の角を駆け足で曲がる。



「うぉっ、ごめん!」


『うわぁ!』



曲がった瞬間、音駒の誰かにぶつかってしまった。



『す、すみません………えっ!!』


「え?」



さっきまで自分の中で悩みの種であった人物が目の前に居た。



『あ、いや、えっと!さ、さっきの試合!リベロさんのレシーブ凄かったです!!!』



何言ってるの私!!焦ってるからって……!
あぁああ。


走り去ってしまいたい衝動に駆られながらもリベロさんの返事を待つ。



「ほんとか!?ははっありがとな」



あ………。



『いえ、ほんとに、凄かった、です。

あ、ごめんなさい行きますね!』



「ん?おう!ぶつかってごめんな!」


『こちらこそすみませんでした!!』



ダッシュで体育館に戻る。


走ってる間、バクバクとなり止まない心臓。

これは走ってるからなのか、それとも。



(あの笑顔は、反則級……!!!!)



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作者名:ふゆ | 作成日時:2024年2月25日 2時

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