21話 ページ21
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それからも烏野は我武者羅に食らいつく。
烏野は、まだ顔を揃えたばかりのレベル1のチーム。
食らいつくしかないんだ。
「ナイスブロック！！」
月島が7番をブロックし、烏野も20点台にのった。
が、日向が弱々しいスパイクを辛うじて決められたかと思ったらすぐに取り返される。
あと一点で同点になれる！！そう思った時に、ツーアタックで点を取られた。
「音駒マッチポイント！」
マッチポイント…あと一点で終わる。
「大丈夫、俺たちが不安になったらダメだよ」
スガさん……。
『そうですね、それにこれは練習試合ですし。
勝ち負けよりこの試合をどう自分のものにするかが大切ですよね』
でも負けていいってわけじゃない。
24対23
東峰さんが前衛に回ってくる。
上がったボールは、素早く走り出した日向ではなく、レフトの東峰さんが打つ。
『うぁー！リベロさんだ…！』
やはり拾われてしまう。
でもチャンスボールで烏野に返ってくる。
「東峰！ダイレクトだ！！」
「叩け！旭！！」
烏養コーチと澤村さんが東峰さんに叫ぶ。
打ったボールは拾われ、またチャンスボールで返ってきた。
その瞬間。
日向が光り出す。
まるで、"ここにいる""ここに持ってこい"と言っているような。
変人速攻は決まったかと思われたが、またあのリベロさんが拾った。
『ネットにぶつかった！！！』
落ちる！！点を取れた！
その場にいる誰もが思った。
___強いスパイクを打てる方が勝つんじゃぁないんだ。
ボールを落とした方が負けるんだ____
ピピーッ
試合終了の笛がなる。
セットカウント2-0
勝者 音駒高校
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作者名：ふゆ | 作成日時：2024年2月25日 2時
