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仁王:猫より ページ2
「お、ほうかほうか。そら良かったの」
猫じゃらしを振りながら猫と戯れる彼は年相応の笑みを浮かべ、目を細める。
ほんの少し、羨ましいと思った。猫になりたい、なんて思うのは変なことじゃない……と信じたい。
「ほれ、おまんもこっちきんしゃい」
声をかけられ我に返ると、腕を引かれ猫の前に連れて行かれる。みゃう、と鳴く猫たちの前にそっとしゃがみ込むと、人懐っこく膝に頭を摺り寄せる。
「珍しいのう……この猫たち、あんま人に懐かんのじゃが」
そんなことない、と主張するかのように私の手を舐めてくる。
その愛らしさに思わず笑いを零すと、少しむっとした顔で猫に干し小魚を投げる。魚につられ猫は離れていった。
「あんまり猫にばっかり構わんで、俺も構いんしゃい」
そう言いながら頬に軽く口づけられ、思わずフリーズする。
「さ、分かったならとっとと帰るぜよ」
すたすたと歩きだす仁王くんの背中を慌てて追いかけた。
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作者名:都築心太 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sapm_hmp/
作成日時:2020年1月13日 1時