9:ヒーロー・シオン ページ11
?「そうと決まれば海ー!!泳ぎにいこー!!」
轟「あっ、待って...」
少女を引き止める
この日、水中のヴィランの事もあって
海には入るなと釘を刺されていた
轟「ごめん、海には、入れない...」
?「あっ!!そういえば私もそうだった!」
轟「そ、そっか」
遊び相手をようやく見つけて興奮しているのか
テンションが異様に高い
?「じゃー、そーだ!砂のお城つくろ!!」
轟「あ、う、うん」
強引に引っ張られながら砂浜へ出る
すれ違う奴らが左側の火傷を凝視するのが嫌で
パーカーのフードを深く被った
轟「ねぇ、君...」
?「んー?」
轟「俺が、君の隣に居ていいの?」
ずんずんと進んでいた彼女が、振り返った
轟「その、俺こんな外見だし...」
?「あれー?どうしてフード被ったのー?」
轟「君みたいな、眩しい人の隣に居て...いいのかなっ...て...」
?「やっぱフード取った方がいいよー!」
轟「...」
人が勇気振り絞って言ったのに
こいつ人の話聞いてないし
?「何気にしてんのー!っていうか君の方が綺麗だし!もっと自信持ちなよ!!あたっ」
少女が顔を近づけすぎて、額どうしがぶつかった
俺の目とその子の目が合う
綺麗な天色の瞳に吸い込まれそうになった
＿＿やっぱり、君の方が綺麗じゃないか...
目を逸らして俯きかけても、彼女はそれを許さなかった
?「目、逸らさないで」
頬を両手で包まれて、顔を無理矢理挙げさせられた
?「綺麗な目...素敵だね」
恥ずかしさに顔が真っ赤になる
それと同時に、彼女がゆっくり離れていく
?「えへへぇ、思わず見とれちゃったよー」
よく見ると、彼女の顔も真っ赤だった
彼女も恥ずかしかったのか
?「君、顔いいのに隠すなんて勿体ないよー!
だから今日は隠すの禁止ね!」
轟「えー、何それ」
会ってまだほんのちょっとしかたってないのに
ずっと一緒にいたみたいに、仲良くなった
?「そーいや名前教えてない!」
轟「あ、そういえば...」
?「あ!!」
轟「?」
?「知らない人に名前教えちゃだめなんだった!」
轟「えー?」
全く気にしていなかったが、お互い名前を知らずに遊んでいた
?「じゃあさ!ヒーローネームで呼び合おうよ!将来ヒーロー志望でしょー?その時のために!」
轟「わかった、じゃあさ」
?「??」
轟「お互いに名前つけ合うってのはどう?」
?「! いいねぇ!それ!!」
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作者名：110[わんわんおー] | 作成日時：2017年12月5日 22時
