椿 (ページ9)

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招待状の存在を目にしてからというもの、仕事中でも北斗のご飯を作る時もテレビを見てる時もふと考えてしまう。

今樹と会ったところで何か変わるわけでもないし、北斗への想いが変わるわけでもない。

「じゃあ、なんで」

今日は遅くなると連絡が来た北斗のいない部屋に響くそんな私の独り言。

心のどこかで自分に嘘を付いている事にも気付かずに
ふるふると頭を振って雑念を消し去る努力をする。

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久々一人で家にいるから何をしていいか分からず適当に音楽をかけて適当にご飯を食べて明日の分の北斗のご飯を詰めて冷蔵庫に入れる。

ゆっくりお風呂にも入ってマッサージもする。

そんなことしてたら時計は23時を指してる。

「遅いな」

しばらく振りに親友の慎太郎くんとかジェシーくんと飲みに行くってさっき電話で言ってたなと思い出してまだ扉の開く音が聞こえるのを待つには早い時間だと思う。

今日はもう寝てしまおうと思い北斗が戻るであろう時間に暖かくなるようにリビングの暖房のタイマーをセットして、軽く食べられるおにぎりとお味噌汁を準備して暖めて食べてねなんてメモも書く。

一人では大きすぎるベッドで大の字になって意識を手放す。

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