椿 (ページ2)

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1人目の運命の人と出会ったのは高校生の時だった。

髪の毛も明るくて、ピアスも付けていて

私のタイプとは正反対の男の子。

3年間同じクラスで、文化祭の委員に一緒になったことがきっかけで仲良くなった。

田中くんが樹くんになって樹になり、AちゃんがAに変わる。

気付けば恋に落ちて居て友達の枠を取っ払うのにそう時間もかからなかった。

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誕生日も二回祝ったし、クリスマスだって二回一緒に過ごした。

それからというもの、大人だと勘違いしていた私達は些細なことですれ違い喧嘩も増えた。

進路に思い悩むな私とやりたいことが明確な樹。

噛み合わないのは明らかだった。

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「浮気してるって本当？」

「本当」

「別れよう私達」

「そうしよう」

一つもテンポが遅れることなく呆気なく終わった恋なのに。

ずっと心にある恋。ずっと忘れられずにいた恋。

「好きなんだ、付き合って欲しい」

そう言われたあの日を今でも思い出す私は相当の馬鹿なのかな。

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もうすぐ私の苗字が変わるというのに。

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