口裂け女3 ページ17
side:与謝野
「あ、ああ…晶子さっ‥!」
「A、前歩きな」
後ろから突然聞こえてきた足音に警戒し、Aを前に行かせる。
この子の人に対する耐性の無さは太宰から聞いていた。
尚でさえ、Aんトコの2人は過保護だ。泊りに行かせて事件にでも会ったら、Aを監 禁すらしかねない。あの二人のAへの愛情は、一歩間違えれば依存になりかねない。
精神の分野は専門じゃあないが、これでも医者の端くれだ。
「誰だい?こんな夜中に、女2人の後を着けるなんて変な誤解を生むよ。遊んで欲しいなら、相手してやるさ」
「晶子さん!?」
Aを背に庇うように振り向いた。
電灯を浴びて夜闇に向かって言えば、ゆらりと細いシルエットが浮かび上がる。
電灯も人通りの少ないこの道で、姿を潜めていたように突然聞こえてきた足音から一般人じゃあないだろう。
家までついてこられるよりは、此処で白黒着けといたほうがいい。敵ならぶっ飛ばしゃ話は片付く。
なんたって、妾は”武装”探偵社だからね。
「…アレは」
「女かい?」
だたの揺らめく細い影が、電灯に照らされて相手を朧げにも視認できるまでになる。
夜闇でも分かる程、目に痛い赤い外套は酷く季節に不釣り合いだ。長い髪を揺らしながら此方に向かって歩いてくる女。
てっきり、男だと思っていたがアテが外れた。
まぁ、いい。やることは同じだ。妾は男女差別はしない。
持ち歩いている鞄から鉈を取り出して構える。
「へぇ?アンタみたいに顔を隠してるやつ、確かマフィアにもいたねぇ」
はっきりと姿が見える様になれば、女は顔の半分も覆うほどのマスクに隠れていた。
以前、敦を狙って探偵社を襲撃してきたポートマフィアの遊撃部隊にも同じようにマスクで顔を隠してた奴がいた気がする。赤いこの女とは違い、彼奴は真っ黒だったが。
「アンタもマフィアかい?」
「晶子さん、下がって!!」
「A?」
ーねェ、ワタシ、綺麗?
『獅子王・銀零!』
「どういうことだい!?その女は…っ、まさか」
巨大な刀を構えて前に出たAは、小さく頷く。
社員の体験した怪異は幾度と話を聞いてきた。社長の式神になった小鞠とも接している。
今度は、自分が体験するなんて思っていなかった。
ーネぇ、わタし、きイぃれぇいィィいい?
「そうね、貴女が怪異じゃなかったらきっと美人だったと思うよ」
ー美人、こレでもぉオぉオオ?
再度同じ問いをして、マスクを外した女。
その口は、耳まで避けていたー。
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奈々(プロフ) - 恐らくリフレインの意味を間違ってしまっているのでは?と思いました。勘違いでしたらすみません。 (2018年2月25日 18時) (レス) id: 032453cb9b (このIDを非表示/違反報告)
奈々(プロフ) - とても面白くて、気に入って1作目からここまで一気に読んでしまいました!!1点、気になった点があるのですが、作中何度かリフレインという言葉が出てきてますが、リフレインは差し控える、といったような意味合いです。 (2018年2月25日 18時) (レス) id: 032453cb9b (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - リクエストで能面なんていかがでしょう!怪異症候群であったので是非調べてみてください! (2018年2月12日 22時) (レス) id: 433c3ce074 (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - リクエストいいですか?キャラは誰でもいいのですが人柱と地縛霊を書いてほしいです!更新たのしみにしています。受験がんばってください! (2018年2月10日 16時) (レス) id: efae94ae6b (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - 玲瓏なる蒼玉(玲玉)さん» すみません受験で更新できずにいるんですが、50話まで書くと完結表示になってしまうのを知りませんでした!更新停止中に直しましたので、リアルが片付いたら更新したいと思います (2018年2月5日 18時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:amato | 作成日時:2017年8月27日 13時