猿夢2★ ページ22
side:中島
「んん〜…あれ、鏡花ちゃん?」
いつもなら、僕よりも先に起きて朝食を作ってくれている鏡花ちゃんが、まだ隣で眠っていた。
疲れているんだろうか。
こんな日もあるだろうと思い、起こさないでおくことにした。
朝食を作ってから、声をかけてみよう。
鏡花ちゃんと住む事になってから食事の準備は全部彼女が引き受けてくれていたから、台所に立つのは久しぶりだ。
「何作ろう…」
お茶漬け…?
料理なんてまともにした事が無いし、ましてや自分以外の誰かが食べる事を想定して作るのなんて初めてだ。
どうしよう…。
「めて…、ゃ…」
「鏡花ちゃん?」
眠っている鏡花ちゃんから聞こえる小さな呻き声。
顔を除けば、最悪の顔色をして魘されていた。
「鏡花ちゃん、起きて!鏡花ちゃん!」
名前を読んで揺さぶっても、一向に起きる気配を見せず魘されるばかり。
悪夢の怖さ、辛さは身をもって知っている。
何とか、起こしてあげなくちゃ…!
「鏡花ちゃん!鏡花ちゃん!!起きて!」
こんなに起きないなんて、おかしい。
異能?怪異?
頭に過るのは2つの可能性。
原因が異能ならば、太宰さんに知らせて何とか無効化して貰わなくては。…怪異なら、Aさんに連絡しないといけない。
「鏡花ちゃん…、少し待ってて」
少しでも助けになってくれることを願い、魘される鏡花ちゃんにAさん作のお守りを握らせた。
太宰さんは同じ社員寮に住んでる。まずはそっちに当たった方が早いと思い鏡花ちゃんを残して飛び出した。
「矢張、起きないね。異能だとしたら異能者本人触れなければ無効化出来ないのか、若しくは…」
異能ではないのかー。
太宰さんの言葉に冷や汗が流れる。
部屋にいると思っていた太宰さんが、例のごとく自 殺に出かけていたため思ったより時間がかかった。
部屋に連れてきて鏡花ちゃんに触れてもらうも、結果は…。
プルル…プルル…
「!もしもし!?Aさん!鏡花ちゃんが…!」
『やっぱり、そっちでも何か起きてたんだ…。鏡花ちゃん、ブレスレットしてない?取り敢えずそれを外して、部屋の四方に盛り塩しおいて!すぐにそっちに行く!』
掛かってきた電話の声に安堵する。
Aさんに云われた通り鏡花ちゃんの腕を見ると、綺麗な石で作られたブレスレットが着けられていた。昨日、Aさんと遊びに行った時にお揃いで買ったんだと嬉しそうに話していたのを思い出す。
「え…」
握らせたお守りが黒ずんでいたー。
猿夢3★→←イラスト頂きました!・:*+.(( °ω° ))/.:+
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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます!猿夢はグロいですよねwしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます! (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:amato | 作成日時:2017年8月16日 22時