丑の刻参り1(雪月花様からリクエスト) ページ13
「鏡花ちゃ〜ん!」
「A」
「ごめん、待たせた?」
「平気、行こう」
今日は鏡花ちゃんとデートなのです。
前に、鏡花ちゃんと約束した神社の出店市。
「Aの髪型…」
「そ、折角だし前みたいにお揃いにしてきちゃった!」
「嬉しい」
可愛すぎか!
可愛すぎか!!
「沢山ある」
「本当だ。人も結構いるね。出店市なんて、お爺さんとかばっかりかと思ってたけど、そういう訳でもないんだね。鏡花ちゃん、何処みたい?」
「あっち」
「よし!」
逸れない様に手を繋いで、色々な出店を見て回る。
「すみません、お嬢様方…」
「私達?」
振り向けば、出店を出している人が手招きをしていた。翁の仮面をつけていて、顔は見えない。
声から察するに男性の様だ。
「はい、お揃いでアクセサリーなどいかがです?どれも、私の手作りですよ」
「Aとお揃い…!」
「ん〜…」
机の上に並べられた様々なアクセサリー。どれも綺麗な石が使われている。
何だろう、何か変な感じがするんだけどよく分からない。
そういえば、今日は新月だ。
私の霊力は全く使えない。
「A、嫌…?」
「…ううん、いいよ。買お」
まぁ、大丈夫だろう。
違和感の正体に確信が持てないこともあり、購入を決めた。決して、鏡花ちゃんの可愛さに屈したわけじゃない。
「…ありがとうございます」
「え…?」
「何か?」
「あ、いえ…」
気のせいだろうか。
この男からからも変な空気が流れた気がした。
確信が持てないというのは、気持ちが悪い。
「A、どうしたの?」
「ううん、何でもないよ。どれにしよっか?」
鏡花ちゃんと二人、お揃いのブレスレットを2つ買った。
「綺麗」
「…ほんとだね」
「気に入って頂けたようで…」
ブレスレットをお互いに付けて、手を繋ぐ。
「次は、何処に行こうか?」
「あ、お待ちください」
「何?」
「いえ、貴方ではなく…」
「…私?」
「はい、少し、失礼します」
「Aに何する気?」
男の腕が私に伸ばされ、髪に触れる。
「いたっ」
「A!」
「すみません、塵を取ろうとして…髪も一緒に抜けてしまったようで」
「あ、いえ…ありがとうございます」
塵…?
あんな仮面をつけながら、髪に付いた小さな塵なんて見えるんだろうか?
やっぱり、この人はどこか薄気味悪い…。
「A、大丈夫?」
「…ぁ、うん。大丈夫だよ。鏡花ちゃん、行こうか」
鏡花ちゃんの手を引いて、逃げるようにその出店から遠ざかった。
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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます!猿夢はグロいですよねwしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます! (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:amato | 作成日時:2017年8月16日 22時