【文スト】異能力？いいえ、霊能力です

コトリバコ6★ ページ20

「これから、娘さんにかかっている呪いを解きます。電話でも忠告しましたが、テレビ局の方々に関しては何が起こっても責任は取りません。当然、貴方も」
「お嬢さんのお手並み拝見と行きましょう」

二度目の忠告を受けても、帰る者はいなかった。マジで知らねえからな。
因みに作之助、アンドレ、坂口さんには予めお守りを渡してある。

「あ、あの、これでいいでしょうか？」
「あ、はい大丈夫だと思います。娘さんに渡してください。娘さんは、その中に吐き出してくださいね」

お母さんには大きめの桶を用意してもらっていた。それを娘さんに渡させる。
「何を…」という質問は無視だ。それに答えて拒否されたら元も子もない。
一応部屋の四隅に結果を張ったが、ドアは開け放たれ、境界線はテレビ局に踏み荒らされているのであまり効果は期待できないだろう。
娘さんの前に、清めた塩とお神酒を置く。

「娘さん、まず塩を指に着けて舐めてください」
「はぃ…いたッ」
「続けて」

清塩に触れていたいという事は、かなり邪気に体を蝕まれている証拠。

「おぇッ、げほ、ごほッ…！本当に塩ですか…！？、こんなに、苦いのに…」
「塩です。次はお神酒を飲んでください。」
「は、ぃ…っ」
「吐きそうになっても、我慢して飲み干してくださいね」

呪いから解放されたい一心で娘さんはお神酒を飲み下した。

「っ、う、お゛え゛ぇえ、がはぁ゛ッ…！！！」

始まった。
娘さんの中に巣食っていたモノがビチャッと音を立てて吐き出された。

「ヒッ…！ぎゃあああああああああ！！！」
「なんだ、これ…！」
「人形…の、手か？」
「…いえ、人、しかも、赤ん坊の手…でしょうか」

桶の中に吐き出された小さな手に詐欺師とテレビ局の人たちが悲鳴を上げた。
流石の3人も気分を悪くしたのか、顔が青い。

「次はまた塩を舐めて、またお神酒を飲んで吐き出す。これをお神酒がなくなるまで繰り返してください。全部吐き出せば、お神酒も塩も普通になります。青藍さん、私の代わりに彼女に付いててもらえますか？」
「構いませんが、若草さんはどうするんですか？」
「呪いの元凶である箱を探します。蘇芳と茜…それから、テレビ局の人たちとそこの詐欺師も人手がいるので手伝ってもらえますか？この家のどこかにあるはずなので探してください。」

娘さんの話では、可愛らしい箱だったのでインテリアとして部屋に飾っていたそうだ。
それが、いつの間にか無くなっていたという。

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