聖女なんて柄じゃないです【魔法使いの約束】 (ページ3)

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２．厄介とはページ3

？？？「私は西の魔法使いのムル。行き先は〈大いなる厄災〉によって、壊れかけた世界」

そう言って姿を現したのは礼儀正しい紳士だった

ムル「お会いできて光栄です。愛しい賢者様、聖女様」

晶「わっ······！？」

紬「······」

知らない人増えた待って無理だ。つい、晶さんの背中に隠れたけど

ムル「これから賢者様と聖女様を、少しばかり、厄介なことに巻き込むかもしれません。
さて、厄介事には色々あります。色恋沙汰、名誉に戦争、家族、友人、仕返し、恩返し······今回は、その中で、もっとも厄介な問題！」

いや、最早この状況自体が厄介すぎるんですが.....

ムル「世界救済。あなたたちにそのお手伝いをして欲しいのです」

晶「······な······、なんだろ、これ······夢見てんのかな······？」

予想の斜め上の言葉に思わず白目を向きそうになったけどなんとか耐えた

ムル「もうすぐ、たどり着きますよ。世界も、私も、随分と、めちゃくちゃになってしまいましたけど。あなたたちはきっと、私に失望なさるでしょう。それでも、あなたたちと友人になれたなら、私はとても嬉しい」

夢だと信じたいのに嫌にもこれは現実なのだろう

ムル「聡明な、賢者様、聖女様。あなたたちにお会い出来る時を、長い間、待ち焦がれておりました。本音を言えば、世界はどうでもいいのです。人助けは、面倒ですからね。ただ······この世界の真実を、あなたたちに見つけて欲しい」

晶「あっ······」

ムルさんの姿が消えてエレベーターが止まりゆっくりと扉が開く

立派なひげの男性「賢者様······！聖女様はいらっしゃらないのですか······？」

晶「え······っ」

立派なひげの男性「おや、聖女様！そこにいましたか！賢者様と聖女様がいらっしゃったぞ！魔法使いどもが召喚に成功した！」

······魔法使い"ども"ってなんだか上から目線な言い方で好きじゃないな

兵隊「賢者様ばんざい！聖女様ばんざい！」

兵隊「ばんざい！」

晶「え！？なんですか、これ！？」