聖女なんて柄じゃないです【魔法使いの約束】 (ページ11)

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１０．誰がためページ11

ドラモンド「賢者様、聖女様は私たちの言うことを聞けばいいのです！賢者様と聖女様のために言ってるんですよ！」

その言葉を聞いて私はわかりやすく顔をしかめた。私たちのためって言ってるけど、ドラモンドさんたちの言うことを聞きなさいと結局は自分たちのために言う

でも、カインさんたちは私たちのためでなく、自分たちのためだと言って、〈厄災〉を倒すため、仲間を救うため、もう仲間を失いたくない。そのために彼らは助けて欲しいと頼んだ

········それなら私は

晶「よくわからないですが......みなさんの方についていきます」

紬「私も」

カインさんたちに振り返り、そう言った。
晶さんも同じことを考えていたのだろう

カイン「本当に！？」

ヒースクリフ「いいんですか！？」

二人はとても驚き目を見開いて私たちを見た

シャイロック「二人とも、驚かないでくださいよ。せっかく、賢者様と聖女様が信じてくださったのに」

そんな二人にシャイロックさんは苦笑し、遅れて二人も笑顔を浮かべた

カイン「喜んでいるんだ。初対面の人間なのに、魔法使いを信じてくれるなんて」

ヒースクリフ「ありがとうございます、賢者様！聖女様！この御恩は一生忘れません！」

そんな、大袈裟......でもないのかな。ドラモンドさんたちの発言や態度を見る限り

ドラモンド「な......、何を馬鹿げたことを！いいですか、魔法使いというものは、性悪で、尊大で、身勝手で......」

そう、つらつらと魔法使いさんたちのことを悪く言われても

ヒースクリフ「それ以上、一言でも言ってみろ。性悪な魔法使いがあなたを呪うよ」

ドラモンド「.........っ」

ヒースクリフさんの冷めた言葉に言葉を詰まらせた

ヒースクリフ「世界を守るために戦ったのは、その性悪で尊大な魔法使いだ。おまえたちみたいな奴を守るために、先生も、仲間たちも、倒れていったんじゃないか！」

ヒースクリフさんは怒りを露にしながらドラモンドさんに言う