聖女なんて柄じゃないです【魔法使いの約束】 (ページ2)

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１．今宵の月とページ2

・・・・・疲れた

バイトだけでもこんな疲れるのに社会人になったらどれだけキツイのだろう......

トボトボ歩いて帰ってるけど、いつもより遅く終わったから補導されないようにしないと。学校バイト禁止だし

紬「······満月だ」

でも、なんだかいつもよりなんか大きい気がする

あっマンション着いた

紬「······」

やっべぇ、同じマンションの人かな？写真撮ってるけど。待って、一緒にエレベーターに乗るの気まずいよ

？？？「？」

そんなこと考えてたら男の人がこっちを向いた

紬「っこ、んばんは....」

？？？「こんばんは、バイト帰りかな？」

紬「えっと、はぃ.....」

ずっと目を逸らしながら話しているのとてつもなく申し訳ない

エレベーターが来るの待ってる間自己紹介になった

晶「俺は真木晶、よろしく」

紬「······江戸、紬です....よろしくお願いします」

よろしくする機会があるかは謎だけど······

晶「今日は綺麗な満月でつい写真撮ったんだよね」

そう言って写真を見せてきた。おー、結構コミュ力高い人だな

紬「······綺麗に撮れてますね」

晶「そうそう。綺麗に撮れたからあとで猫缶持って、猫ばあさんに見せようと思って······あれ？」

紬「？」

どうしたんだろ

晶「なんかおかしい？」

えっ？エレベーター内をよく見るといつもと構造が違った······というか、海外風。こういうの好きだけどこのマンションはこんなおしゃれなエレベーターじゃない

晶「どうしたんだろ······マンション、工事なんかしてたっけ······」

紬「してないと思います」

さすがに一日でここまでやるのは無理があるし

？？？「やあ」

どこからともなく知らない男の人の声が聞こえて、分かりやすく肩を震わせた

晶「······！？」

紬「ぴっ！？」

追い討ちをかけるように宙に帽子が浮かんでいる

？？？「ようこそ、賢者様、聖女様。エレベーターの行き先は、私がご案内いたしましょう」

賢者様に......聖女様？

そんなファンタジーみたいなことあるか普通