付き添いで来ただけなのですが２【A3!】

第７４話 ページ26

誉「密くん、初対面の相手には自分も自己紹介するのが筋というものだよ」

密「······御影密」

誉「それだけで終わりかね？」

密「······他は覚えてない」


誉「にしても、あるだろう。マシュマロが好きだとか、特技はどこでもどんな状態でも一秒で寝られることとか！」



それ、特技でいいのかな·····？卯木さんは覚えてないとこが気になったらしいけど



密「·····記憶喪失だから」

千景「記憶、喪失ーー？」


いづみ「密さんは寮の前で寝ていたところを見つけて、行くところがないって言ったので、スカウトしたんです」

千景「······へえ、そうだったんだ」


ヒョッ、な、なんかこ、こわ



千景「······あれ？監督さん以外にも女の子？」

いづみ「この子は、四季野実莉ちゃんです。劇団の自慢の作詞作曲家です」



千景「へえ、そうなんだ。こんな若い子が作ってるんだ、凄いね。俺は卯木千景、よろしく」

実莉「あ······よろしくお願いします、卯木さん」


千景「そんなに固くならないで、気軽に千景でいいよ」

実莉「アハハ·····慣れたらということで」



先程の密さんとの差にちょっと怖がってしまい、挨拶が固くなってしまった

気を逸らすために密さんにマシュマロを食べさせる




密「······あ」

実莉「密さん、雛鳥ですか？」



私は誉さんに並ぶ程の、密さん餌付け係みたいになってしまったんだよな····

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