会話 ページ9
「そういえばさ。」
ゆまがもぐもぐと口を動かしながら器用に食べる。
「はい。」
Aはそんな器用なことが出来ないので箸が止まる。
「どうしてインナーカラー青色なの。」
少し不満そうだった。
「ゆまさんは何色にして欲しかったんですか。」
「赤か白。」
「あー、白も迷いましたよ。」
「赤も迷ってよ!」
ゆまがガツガツ白飯を食べる。
Aが眉をへの字にした。
「ネット記事見たことないですか、ゆまさん。私たち、付き合ってる説出ちゃってるんですよ。」
「あぁ。でもさ!しらはんとも何故か出てたよね。それでなんで青色にしちゃったの!しらはんと付き合ってるみたい。」
む、も唇を出すゆま。
「赤じゃなければいいと思っちゃったんです。」
同じような顔をするA。
可愛くて直ぐに負けてしまうゆま。
「イメチェンしてみたら。」
それでも折れずに言う。
Aはうーん、と考える素振りを見せる。
ゆまはじっと見つめた。
「考えときます。」
「やった!」
ゆまは満足そうに微笑むと、またご飯を行儀よく食べたした。
Aは赤色にしな自分の姿を想像した。
もれなく満足そうなゆまの顔も思い浮かべられる。
「ご馳走様でした。」
Aは手を合わせる。
「俺も。ごちそうさま!」
各自、ゆまは食器洗い、Aは洗濯物を取り込む。
全ての工程が終わるとAはパソコンルームの扉に手をかけた。
「仕事するの。」
ゆまが後ろからAの腰に手を回す。
「いや、スマホを置きっぱなしだったので取ろうかと。」
「なんだ。」
「どうしたんですか。」
ゆまがリビングを親指で指さしながら言った。
「一緒に飲まない。」
Aは今まで一滴もお酒を飲んだこと無かった。
外食する機会は何度かあったが以前と変わらずに水やジュースを飲んでいたのだ。
「飲み……ましょう。」
Aは大きく頷きながらそういった。
ゆまが嬉しそうにキッチンの冷蔵庫に向かう。
Aはスマホを取ってからリビングに向かう。
「初めてだよね。」
「はい。」
「じゃあこれ。」
ゆまはそう言ってほろよいをAに渡した。
アルコール度数の低い、ジュースのようなお酒である。
「ほろよい……。」
「俺はいつものやつ。」
アサヒスーパードライだ。
乾杯をして飲む。
「おいしい?」
「……なんだかよく分からない味です。」
2人はふにゃっと笑い合った。
109人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuki(プロフ) - もう更新しないのでしょうか…続きが気になります…!! (2020年6月2日 21時) (レス) id: 4193d3e44a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:糯 | 作成日時:2020年4月10日 5時