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押しに弱い ページ19

「だって酔っ払ってるAが可愛すぎたんだもん。」


ゆまは至極真っ当な意見だ、と言わんばかりに立ち上がった。


たちまち見下ろされるA。


「そういう、恥ずかしいこと……さらっと言わないでください。」


Aは今更恥ずかしくなったのか、バスタオルを体にまきつける。


「今更じゃん。」


そう言ってゆまは笑う。


「今度から私の意識がある時にお願いします。」


「痕はつけてもいいんだ!」


嬉しそうに顔を明るくさせるゆま。


Aには尻尾が見えた気がした。


「……私も同じ数つけてやりますけどね。」


ゆまが、え、と後ずさりする。


「見えないところにですけどね!」


Aがじりじりとゆまに迫る。


ゆまも同じく後退していく。


「……それは、ちょっと、なあ」


「どうしてですか。私にだって独占欲はあります。」


「おお?なんか今日、強気じゃない!?」


「そういう日があってもいいじゃないですか。」


先程の大声を出したおかげか、強気のA。


それにたじろぐゆま。


Aはゆまに顔を近づけて言った。


「とりあえずお風呂入ってきます。」


呆気に取られるゆまを放って風呂場に向かうA。


脱衣所の扉はしっかりと閉められる。


ゆまははっとしてまたキッチンに戻る。


「いつの間にあんなに大人になってんだ……。」


ボソリと呟いた。


いつもAの顔や仕草を見る度にちらつく、幼少期のAの顔。


面影が無くなっていくのは少し寂しい気もした。


しかし、未知数の色気を持つAにワクワクしている自分もいた。


Aが風呂から上がり、ゆまが風呂に入る。


キッチンに移ったAはゆまがしていた鍋の用意の続きをしていた。


風呂上がりに首元を確認すると痕はしっかり消えていた。


ふと、ジョニーがいつの日かに言っていた言葉を思い出す。


『ねえねえ、キスマークって吸引性皮下出血って言うらしいよ。』


未だにどうして突然あんなことを言っていたのか不思議だったがAは風呂に入ると血行が良くなって消えたのかな、と予測していた。


鍋の用意ができた頃、ちょうど良くゆまが風呂から上がる。


机の鍋を囲み、テレビを見ながら談笑し、味わっていた。


「今日、楽しかった?」


ゆまがAが貰ったプレゼントに目をやりながら言う。


「はい。皆さん親切で、仕事もやりがいあります。」


しいたけを噛み砕きながら満足そうに微笑んだ。

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yuki(プロフ) - もう更新しないのでしょうか…続きが気になります…!! (2020年6月2日 21時) (レス) id: 4193d3e44a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月10日 5時

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