友達 ページ34
｢あーもー。せっかくAとも話せると思ったのに。｣
ゆまの部屋で騒ぐりょう。
｢しょうがないじゃん。Aも仕事なんだって。それより午後の｣
｢ゆーま、Aのこと好き？｣
ゆまは、え、と声を漏らした。
｢そ……りゃあ好きだけど。｣
｢俺も好きだよ。下関にいたときからずっと可愛がってたし、家族みたいな存在だと思ってる。｣
りょうはゆまの動揺など想定内かのように話す。
｢何が言いたいの、りょーちゃん。｣
ゆまはまた落ち着きを取り戻して言った。
｢ゆーまはなんか違うような気がしてさ。恋しちゃってるでしょ？｣
｢は｣
ゆまはまた固まったまま動かなくなった。
自分でもそんな気がしていたが言葉に出さずにしていた心情をいとも簡単に言葉に出してしまうりょう。
｢やっぱり。おっかしいと思ってたんだよね。Aも明らかに不自然だし。今日みたいに家に来たりする仲なら俺らに行ってよ。｣
｢いや、別に……｣
｢でもあと3年は待ちましょうね。相手は未成年ですよーだ。｣
｢……。｣
りょうはにやっと笑ってゆまの頬を両手で挟んだ。
一向に喋らないゆまを見て可笑しそうに笑う。
｢もうその反応は認めたってことでいいの？どうなのさ。｣
ゆまは自分の頬を挟むりょうの手を剥がす。
｢……多分、そうなんだと、思う。｣
ゆまは耳まで真っ赤になった。
りょうが嬉しそうに笑っている。
｢ゆまってロリコ｣
｢言わせねえよ！｣
そう言ってりょうの口を手で塞ぐゆま。
｢だって、いつから好きなのって話じゃん。小学校？中学校？高校？まあ最近A、色っぽいしね。俺らが今34とかじゃん。あと3年後は……37だよ！やばいよ！どうすんの！｣
質問攻めのりょうにうんざりするようにあしらうゆま。
｢俺は……。｣
｢……俺は？｣
ゆまは悲しそうな目をしていた。
りょうは先程まで騒いでいたが、ゆまの顔をじっと見つめる。
｢俺はきっと、このまま変わらないし変わるつもりは無い。Aに好きな人が出来て……新しい人との関わりも増えてAの人生が上手くいけばと願う、Aにとって変わらない家族のような……そんな存在でいたい。｣
｢……俺もその判断、間違ってないと思うよ。｣
りょうはゆまの背中をさする。
｢泣いてもいいんだよ。｣
｢泣かねーわ。｣
ゆまは笑って見せた。
少し悲しげだったが、きっと決心は揺るがないだろう。
りょうはそう感じたのであった。
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くるみ。(プロフ) - 毎晩、寝る前の楽しみにしています。面白いです！これからも楽しませていただきます。 (2020年4月8日 0時) (
レス) id: 5a758f7779 (このIDを非表示/違反報告)
糯(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます！前作でコメント返信できなくて申し訳なかったですm(_ _)mこれからも応援よろしくお願いします！ (2020年4月3日 17時) (レス) id: 133f118656 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - めっちゃ面白いです！一気読み・・・！もう気づけば追っかけです・・・。 (2020年4月3日 17時) (レス) id: e5bfab260f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糯 | 作成日時：2020年4月3日 17時
