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ゆまは独り、明るいリビングでソファに座りながらスマホを眺めていた。


Aがあの日のあの言葉を思い出すのと同じ様に、ゆまも自身の言葉を思い出していた。


「なんであんなこと言っちゃったんだろ……。」


昔から妹のような存在だったAは成長して大人になりつつある。


どうしても超えられない他人という壁がゆまの目の前に立ちはだかっていた。


俺もジョニーみたいにいとこだったらいいのに、という思いが頭によぎる。


その時。


インターホンが鳴った。


「……はい。」


『あ、三村です。えと、Aです。』


『ゆーま!ちょっとどういうこと、Aもきてるなんて!』


「え?りょう?」


ゆまは驚く。


Aの後ろに満面の笑みを浮かべたりょうが立っていたのだ。


ゆまは急いで玄関に行き、鍵を開ける。


「やっほ!」


「……おはようございます。」


Aは苦笑いで挨拶した。


「俺、お前呼んだっけ。」


「呼ばれてないけど……来ちゃった。」


鋭い目線で見つめられても動じないりょう。


更に語尾にハートマークでもつきそうなくらい甘い声である。


「ちょうど駅から五分くらい歩いたところでりょうさんの車が通ってここまで乗せてくれたんです。ね、りょうさん。」


ねー!、とアイコンタクトをとるりょう。


嬉しそうに微笑むAを見てつい頬が緩むゆま。


「午後から仕事じゃん、俺ら。午前中暇だし同じく暇そうなゆーまの家に向かったらAが見えてビックリしたよね。まさか、昨日しばらくまた会えないと思った子に今日会っちゃったんだもん。」


「私も嬉しいです。」


Aはそう言いながらカバンを漁り、小さな紙袋に入ったタッパーをゆまに渡す。


「遅くなりました。」


Aはゆまに差し出した。


「……うん、わざわざありがと。」


なんだか寂しげなゆまの瞳。


Aはその瞳をじっと見つめた。


「どうしたんですかゆまさん。元気ないですよ。」


「え、そうなのゆーま。」


相変わらずAの後ろから顔を出すりょう。


「そんなことないって。」


ゆまはにかっと笑って見せた。


Aはその顔を見ると安心したように笑う。


「……じゃあ、私もこれから用事があるので失礼しますね。」


「うん。気をつけてな。」


「え!A、行っちゃうの……。」


寂しそうなりょう。


飼い主が出かけてしまう子犬のようだ。


Aはそんなりょうの頭をわしゃわしゃ撫でる。


「じゃ。」

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くるみ。(プロフ) - 毎晩、寝る前の楽しみにしています。面白いです!これからも楽しませていただきます。 (2020年4月8日 0時) (レス) id: 5a758f7779 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!前作でコメント返信できなくて申し訳なかったですm(_ _)mこれからも応援よろしくお願いします! (2020年4月3日 17時) (レス) id: 133f118656 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - めっちゃ面白いです!一気読み・・・!もう気づけば追っかけです・・・。 (2020年4月3日 17時) (レス) id: e5bfab260f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月3日 17時

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