衣装 ページ4
｢Aー！！｣
久しぶり、とりょうがAに抱きついた。
無論、からすがりょうを突き飛ばして離される。
｢わああ！｣
りょうはわざとらしくソファに倒れ込む。
ゆまはやれやれ、と笑いながらAにお茶を出した。
｢ありがと、ゆまさん。｣
｢ゆまでいいのに。｣
｢嫌です。｣
｢口答えするくせに敬語なんだよなぁこいつ。｣
LINEではタメ口だが、実際に話すと敬語になるという謎の習性をもったA。
何年も関わりを持った今でも敬語は欠かさない。
しかし、心の壁はしっかりと崩されているような、そんな仲である。
｢なんの曲を振り付けしたんですか。｣
しれっとお茶を飲み干して、からすに問う。
｢ベノム！｣
｢超学生さんのベノムに聞き惚れたからす。Aと踊りたいって駄々こねるりょーちゃん。それなら呼びつけようと提案したゆーちん。そしてこの、しらはんが衣装買ってきちゃった！｣
しらはんはドヤ顔で、衣装をAの目の前に出す。
｢あざす。｣
受け取って広げてみる。
トップスがやけに短いことに嫌な予感がするA。
4人がにこにこしながらその反応を楽しんでいた。
｢これって……へそ出すやつですか。｣
｢｢｢｢へそ出すやつです。｣｣｣｣
ぐっ、と親指を立てる三十路の4人。
｢……変態ですか。｣
｢｢｢｢変態です。｣｣｣｣
Aはすっと立ち上がった。
まだ親指を立て続ける4人の顔をマジマジと見つめる。
｢だめ？｣
ゆまがうるうるとした目でAを見つめ返した。
う、と息詰まるA。
｢スタイルええしなんてったって美少女やし……似合うに決まってるやん？｣
からすが爽やかな笑みを返した。
また、息詰まるA。
｢大人になったA、魅せたくない？｣
しらはんがにやっと笑う。
イラッとするA。
｢お、落ち着いて！うーん……そう、つまりは俺らの下心！｣
にかっと笑うりょう。
Aは諦めたようにソファに座り直した。
｢やります。やりますよ！｣
｢｢｢｢わーい！！！｣｣｣｣
ハイタッチを求める4人に渋々答えるA。
試着してきて、と頼み込むからすに負けて別の部屋に押し込まれたAは、得意の早着替えで颯爽と4人の前に立った。
｢いいねぇ……成長したねぇ……｣
ゆまがうんうん、と頷いて嬉しそうに微笑んだ。
｢あんまり見ないでください。｣
Aは別室に戻って直ぐに着替えてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くるみ。(プロフ) - 毎晩、寝る前の楽しみにしています。面白いです！これからも楽しませていただきます。 (2020年4月8日 0時) (
レス) id: 5a758f7779 (このIDを非表示/違反報告)
糯(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます！前作でコメント返信できなくて申し訳なかったですm(_ _)mこれからも応援よろしくお願いします！ (2020年4月3日 17時) (レス) id: 133f118656 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - めっちゃ面白いです！一気読み・・・！もう気づけば追っかけです・・・。 (2020年4月3日 17時) (レス) id: e5bfab260f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：糯 | 作成日時：2020年4月3日 17時
