強引 ページ22
わけも分からずスマホを渡したAは勝手にスマホを操作するゆまをじっと見つめていた。
｢はい。｣
スマホが返された。
画面を見てみる。
りょーさん(スタンプ)
りょーさん(スタンプ)
明日、急に用事出来ました。すみません。
｢ええ！？｣
Aが声を上げる。
急いで送信取り消しをしようとするが、その前にりょうから返信が来た。
りょーさんえー、まじ!
りょーさんじゃあまた2日後ね!体調気を付けてー!
えぇ、と呟くA。
ゆまを睨む。
｢どうしてこんなことするんですか。｣
少し本気で怒るA。
ゆまは困ったように頭をかく。
｢……ごめんなさい。｣
素直に謝られて少し悪いことしたような気がするAだが、いや、違うと気持ちをたて直してゆまを問い詰める。
｢どうしてこんなことするんですか。｣
引かないAの威勢におののくゆま。
む、と口を尖らせて言った。
｢だって、りょうだけずるいじゃん。｣
｢は？｣
拍子抜けするA。
なんだか幼稚園児が拗ねているように見えてしまった。
｢ちょっと、ゆまさ｣
｢普通、彼氏とか以外の男を1人で連れ込まないでしょ。｣
｢え、ゆまさんだって｣
｢俺はいいの。｣
｢んん？｣
疑問そうな顔をずっとしているA。
ゆまは耐えきれなくなってAを抱きしめた。
｢りょうもこんなことするかもしれないよ。｣
｢別に構わないですけど。｣
少しの強がり。
やはり鳴り止まない心臓はいっそう緊張が増していた。
｢馬鹿だなあ。ほんとに馬鹿だ。本気で言ってるの。｣
｢……じゃあゆまさんも離れてください。｣
冷静なフリをするAの言葉。
ゆまはそっと離れた。
Aの表情を見る。
涙ぐんでいた。
｢A、ごめ｣
｢大丈夫です。｣
ゆまが言いかけてAが遮るようにそう言った。
｢大人げないことした。｣
ゆまが申し訳なさそうな顔をする。
Aはなんだかその言葉に嫌気がさす。
ゆまは大人。
Aは子供。
そうやって、現実を叩きつけられている気がして。
ごくごく当たり前のことのはずなのに苦しかった。
｢大丈夫……です。｣
涙はいつの間にか止まっていた。
ゆまは自分のカバンを漁る。
取り出したのはタッパーで包まれたハンバーグだった。
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くるみ。(プロフ) - 毎晩、寝る前の楽しみにしています。面白いです！これからも楽しませていただきます。 (2020年4月8日 0時) (
レス) id: 5a758f7779 (このIDを非表示/違反報告)
糯(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます！前作でコメント返信できなくて申し訳なかったですm(_ _)mこれからも応援よろしくお願いします！ (2020年4月3日 17時) (レス) id: 133f118656 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - めっちゃ面白いです！一気読み・・・！もう気づけば追っかけです・・・。 (2020年4月3日 17時) (レス) id: e5bfab260f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糯 | 作成日時：2020年4月3日 17時
