英雄 ページ14
Aは指定されたスタジオに来ていた。
都内の割とポップめなスタジオ。
「久しぶり!Aちゃん!」
じんたんがスタジオの中で一足先にAに声をかける。
テオくんは撮影スタッフと話していたが途中でAがスタジオに入ってきたのを確認すると手を振って近づいてきた。
「久しぶり、A。」
「今日は撮影よろしくお願いします。」
Aも笑顔でそういった。
相変わらず、スカイピースの撮影規模は大きい。
たくさんの関係者、スタッフが動き回る中、17歳にしてこの規模の仕事に慣れているAは撮影班に画角の説明をしていた。
「ソロの部分は全体的にローアングルでお願いします。2人のところは──────────」
その様子をまじまじと見つめるじんたんとテオくん。
「いやあ、冷静だね。」
じんたんが感心しながらそういった。
着替えを終えてメイクされながら。
テオくんも同じように頷く。
「あ、動かないでくださいね……。」
「すみません!」
メイクさんに注意されながらもAの作業を見ていた。
「振付・構成 AってMVの始まりか終わりに付けよう。」
「あ、唇塗ってるんで話さないでくださいね……。」
「……。」
じんたんは大笑いしながら立ち上がった。
テオくんもメイクが終わり、立ち上がる。
「Aちゃん、準備できた!」
「おっけーだーぜい。」
2人の元気な姿に思わず笑ってしまうA。
「撮りましょう!……の前に振り付けも確認しましょうね。」
「「はーい!」」
Aの構成通り、大人たちが動いていく。
じんたんやテオくんも一ヶ月前から振り入れを行い、ここまで成長した。
プロのダンサーには及ばねど、Aの型に合わせて踊っている2人は以前よりも技術は上がっていた。
少しでもかっこよくなるよう、編集は力を入れる様だ。
Aは自らの声で動く大人たちに、尊敬と感謝の気持ちを持ちながら、自らの力が誰かの役に立つ喜びを感じていた。
今回のスタジオは北側がグリーンバック、南側が学校の教室のセットになっている。
グリーンバックでは戦闘服。
教室のセットでは制服に着替えての撮影となった。
「A、これ、制服。」
「え?」
制服撮影の途中。
テオくんから制服衣装を渡されるA。
撮影班のスタッフも笑っている。
「最後のワンショット、一緒に撮りたい。」
真剣な顔でお願いするテオくんとじんたん。
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くるみ。(プロフ) - 毎晩、寝る前の楽しみにしています。面白いです!これからも楽しませていただきます。 (2020年4月8日 0時) (レス) id: 5a758f7779 (このIDを非表示/違反報告)
糯(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!前作でコメント返信できなくて申し訳なかったですm(_ _)mこれからも応援よろしくお願いします! (2020年4月3日 17時) (レス) id: 133f118656 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - めっちゃ面白いです!一気読み・・・!もう気づけば追っかけです・・・。 (2020年4月3日 17時) (レス) id: e5bfab260f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:糯 | 作成日時:2020年4月3日 17時