SLHの日常。(2)【SLH】

MAKE-UP 3 ページ30

｢はい！完成！｣


Aがそう言って俺らの前に鏡を向ける。


なんだこれ！


俺じゃないみたい。


｢ゆま、妹に似てる！｣


りょうが俺の顔を指さしながら叫んだ。


うそ、妹似てるかな。


Aは爆笑しながらメイク道具を片付ける。


｢たしかに！そっくりだねー。｣


ていうか、りょう、すごいおネエみたいになってるぞ。


さっきからAがりょうのこと見ないようにしてるし。


｢はい、じゃあ2人にもメイクをしてもらおうかな！｣


俺よく分からないけど、りょう中心にメイクするか。


まずりょうが取り出したのは下地だ。


｢商品紹介しなくていいの？｣


Aがカメラを指さしながら言う。


｢もう、ね、めんどくさいのでしません！｣


そしてガンガン下地をつけていく。


｢私が出来なかったやつじゃん。｣


ブツブツ言いながらされるがままのA。


りょうがポーチからブラシを取りだした。


｢あ、便器磨くやつ！｣


ゆまが嬉しそうに指さす。


Aも笑いながらゆまにそのブラシを持たせた。


｢私、ブラシとか使わないんだけど使った方がいいのかな。｣


｢りょーちゃんはね、手が汚れるから使ってるんだよ。｣


｢なるほどね。｣


ゆまとりょうはずっと前にメイク動画を撮っていたので事情を知ってるゆまがりょうの代わり言った。


あれからゆまもメイクを頑張っているらしい。


｢じゃあ次にファンデーションかな。｣


取り出したファンデーション。


｢あ、Maybellineじゃないですか。｣


Aがファンデーションを見つめて言う。


｢これはねネットで調べたらイエベの色白向けって書いてあった。ってりょーちゃんが言ってた。｣


ゆまが説明する。


｢でもAってブルベだよね。｣


りょうがAの頬の肌を触りながら言う。


｢うん。ブルベの人はね、DiorとかプチプラだったらINTEGRATEがオススメ。｣


｢なんか真面目なメイク動画になりそうです。｣


｢そのつもりだよ！｣


次にりょうが取り出したのは眉ライナーだ。


｢これでね。僕らは濃いですからね眉毛。描いていきます！｣


ゆまは笑いながらその様子を見つめている。


たまに便器のようなブラシでAのファンデーションを馴染ませるように塗っていた。


｢はい！……出来ました‪w｣


｢なに笑ってんだよ！｣


りょうが半笑いしながら次のメイク道具を取り出す。


ゆまは指さして笑う。


｢濃いですねぇ。｣


ゆまはそう言ってAの眉を触った。

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