車内の香り(karasu)�� ページ7
外出許可がおりてから三週間。
怪我のためなかなかナポリの町に行くことが出来なかったAはようやく完治した。
昼ごはんを食べ終えた二人は今日、ナポリの町へ向かう。
｢Aさん、行きますよ。｣
からすは、白いワイシャツに白いリボン、水色のスカートをひらひらさせているAを呼ぶ。
｢はいはい、今行くわ。｣
専属運転手のからすはにこにこしながら車のロックを解除した。
目立たないようにイタリアでは一般的な四人乗りの小さな車に乗りこむ。
向かう先は映画館。
大きなスクリーンがない屋敷で旬の映画を見たいAが幼い頃から行ってみたかった所だ。
｢楽しみ。｣
からすは後部座席で先程渡した映画のパンフレットをまじまじと見つめるAをミラー越しに見た。
｢かわいい。｣
ボソリと呟く。
発進してから十五分、ナポリで一番規模の大きい映画館についた。
Aを下ろしてからすは言った。
｢駐車場に停めてきますので少々お待ちください。｣
運転席からそう言うからすを見て、Aは黙って頷いた。
｢緊張してますね。初めてのナポリに。｣
｢……まあね。｣
｢今日は色んなところにお連れしますよ。｣
｢……ありがと。｣
照れくさそうなAを見て高ぶるテンションの元、車を発進。
近くの駐車場に停めて映画館の前で待つAの元に来るまでそう時間はかからなかった。
｢さあ、行きましょう。｣
｢ええ。｣
館内は落ち着いた雰囲気だった。
ロココ調の階段を降りると既にたくさんの客で埋め尽くされていた。
指定席に座る。
ふかふかのシートは居心地が良かった。
｢映画の出演者だけ見ていたけれど、タイトルはなんだったかしら。｣
だんだん室内が暗くなっていく。
からすが少ない光を頼りにパンフレットの題名を囁いた。
｢『子猫と防虫剤の井戸端会議』｣
｢は？｣
ビーっと響き渡る開始の音。
からすは素早くパンフレットをしまい、ワクワクした瞳をスクリーンに向ける。
変な題名の映画はAの困惑の顔と共にスタートした。
・
・
・
｢うっ、うっ、からす……っ｣
Aは片手で目頭を抑え、反対の手で腰に手をあてる。
漏れる嗚咽を抑えようと口を閉じるが抑えられなかった。
｢Aさん、泣きすぎですよ。｣
からすは呆れ顔で、でも涙ぐみながらハンカチをからすに渡した。
｢あんなに変な題名なのに、すごい泣かせにくるじゃない!!｣
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海乃(プロフ) - ありがとうございます！！なんかもう……うん。ハム様に惚れました！！！！ (2020年4月22日 2時) (
レス) id: c74b58390f (このIDを非表示/違反報告)
海乃(プロフ) - 糯さん» わぁ！仕事が速いwありがとうございます(*^▽^*)ゆまさん可愛い！高校生パロもですか？！女神ですね！(？)そうだなー、いりえとになすんが協力してゴシップを追いかけるお話が見たいです！！ (2020年3月21日 3時) (レス) id: c74b58390f (このIDを非表示/違反報告)
糯(プロフ) - 海乃さん» 了解です！そのリクエストの次に、高校生パロも書かせていただきますが、どのような内容がいいでしょうか？ (2020年3月20日 10時) (レス) id: 133f118656 (このIDを非表示/違反報告)
海乃(プロフ) - あう……めちゃくちゃ高校生パロのリクエストがしたいんだけどマフィアベースか……じゃあ、いりえといちゃいちゃしてる夢主(夢主は嫌がってる)を見て、自分の気持ちを自覚する(？)ゆまさんが見たいです！！ (2020年3月19日 22時) (レス) id: c74b58390f (このIDを非表示/違反報告)
糯(プロフ) - スズッシー@ぽん酢さん» ありがとうございます。 子猫と防虫剤の井戸端会議、適当に考えました笑 これからもよろしくお願いします！ (2020年3月9日 23時) (レス) id: 133f118656 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糯 | 作成日時：2020年3月5日 17時
