【派生合作小説】平和な日常、時々やみ。

朝の憂鬱__2話 (みあ) ページ2

榎本志祈side


僕は、朝が嫌いだ。

あの明るい陽の光も、空気も…僕は嫌いだ。

朝は来てほしくない…が、このシェアハウスではそんなこと言ってられない。

何としても起きなくては。
黒いレースのカーテンを少し開けて、部屋を照らす。黒、白、赤しかないこの部屋は…とても居心地が良い。
ベッドから降り、鏡に映った不機嫌な顔の少女を睨み、鏡に赤いタオルを掛ける。 朝から顔を見るだなんて、最悪だ。

｢はぁ………｣

溜め息。毎朝このタイミングで出るものだから、正直僕もびっくりする。
…まぁ、朝から自分の顔を見たら…そりゃあ吐きたくもなるものだ。

身支度をし、音楽プレイヤーと小さな人形とスマホをポッケに突っ込んで部屋を出る。

何やら一階が賑やかだ。…そしてまた、朝から凄まじい悪臭がする。

｢あの人か…。うぅ…臭…｣
どうせ下手物を喰わすつもりだろうが、生憎僕は食が細い。…パン一枚で足りる位だ。

まぁ、これが『いつも通り』だが。

ふらふら階段を降り、一階のリビングルームへと向かった。

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