虹に溺れてる【ＷＥＳＴ】 (ページ22)

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智洋は知っていた。

3ヶ月ほど前から、Aが遅く帰る日だけ香水の匂いがプンプンしていたことに。

でもAはそんなことはしないと

この3ヶ月間、必死に我慢してきた。

ひたすら自分に言い聞かせてきた。

しかし、今日は違う

自分のもののはずのAに

傷が付いていた。

その瞬間智洋は悟った

”嗚呼、彼女は大切な体を汚されてしまったのだな”と。

何故だが、Aが自ら汚れることを選んだということは思えなかった。

Aを信じきっていたからだろうか。

緑「そんなの、バカみたい」

全てが馬鹿らしく思えたこの瞬間

智洋は痂が取れた。

ずっとあの時から

蓋をしていた傷が

また痛みを訴えて

。

。

。

緑「俺は知ってるよ...？Aが浮気してること。」

この瞬間、Aは望んでいたことが叶ったはずなのに

ひどく絶望している自分に気づいてしまった。

”本当に智洋が好きだったんだな”

”濵田はやっぱりカラダだけだったんだ”

そんなことが再認識できたようで嬉しさもあった。

どうして嬉しいかはA自身にも分からなかった。

復讐は？

親友のあの子を殺したんだよ？

そんなことを言ってももう無駄だと悟ったAは

「ごめんね、とも。。。私、寂しかったの」

嘘と本心を混ぜた言葉を吐くことにした。

緑「なんでっ！？いつもAに尽くしてあげただろ！？なんでもしてあげただろ！？」

ギラギラした智洋の瞳に

Aは思わず涙が出そうになった。

これがあの子が体験した

狂った智洋。

______どうしてその姿も魅力的に見えてしまうの

「それは...わかってる。でも、ともが本当に私を愛してない気がして。」

緑「そんなことない！俺はAとずっと離れたくないって思ってる」

智洋は完全に傷が露になった。

「でもさ、、飲み会って言っても遅くなるって言っても何も気にかけてくれないじゃん」

緑「それはっ、、」

「ほら、私に言えないんでしょ？愛してない印だよ」

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