見ーちゃった ページ6
屋敷に上がって月雪が迷わず入っていったのは台所。
何かがコポコポと煮られている音がする。
?「ふふ、これで。そう、これで私が……!」
これは…結芽の声だろうか。
キョロキョロと辺りを見回しても結芽は近くにいない。
私達は薄桃色の暖簾を少し払って台所の中を覗く。
そこには見るからに毒だとわかるおどろおどろしい色をした液体を加熱する結芽がいた。
……どうやらここの時間軸は毒饅頭の準備をしていた時のものらしい。
私はちらりと蟲柱を見る。
驚愕の色を顔に浮かべ、唇がワナワナと震えていた。
これを見ていい気分、とは言えない。
なんでだろう、
もう柱達を諦めているからだろうか。
反省の色が見えようが、驚きの念があろうが私には関係ない。
それに生憎、物語のヒロインのような広い心は持ち合わせていないので、それを見て満足、許してあげる。とは言えない、といったところか。
私はそんな事を考えながら、ぼうっと私達が見ている事も知らず毒を作り続ける結芽と柱達を見ていた。
一通り見終わって、屋敷の外に出る。
炎「よ、もや………
結芽が毒を仕込んでいた、とは……」
炭「じゃああの時、俺たちが食べたのは…結芽さんの、仕込んでいた毒、なの、か……」
善「嘘、だろ……?」
どうやら少しずつだが彼女のしでかしてきた事実を認め始めているようだ。
その様子に月雪もご満悦のようで、ニコニコとこちらを見ていた。
風「……おィテメェ、本当にこれ事実なんだよなァ?」
突然命知らずの風柱が月雪の胸ぐらを掴む。
月雪の服が引っ張られ、今にも破けてしまいそうだ。
月「だからぁ、何回も言ってんじゃん?事実だって。」
相変わらず貼り付けたような笑顔で質問を返す月雪。
その答えを聞き、スルスルと腕を下ろす風柱。
風「……そうかィ、じゃあ俺の今までは何だったんだ?全部結芽に踊らされてたってことか?」
俯きながらそうポツリと言葉を零す彼はいつも私を憎み、嬲ってくる彼とは想像もつかないほど弱々しかった。
私は、
『ねぇ、皆さん。貴方達は今、誰が1番悪いと思ってますか。』
そう口を開いた。
しかし沈黙がまた流れる。
これはもうダメだな。
そう察した。
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流花*。゚+(プロフ) - 奈黒さん» ありがとうございます!!!夢主死亡エンドは色々考えちゃいます(^^)バッドエンド大好きマン() (2021年1月14日 22時) (レス) id: 740beba36d (このIDを非表示/違反報告)
奈黒(プロフ) - 後でフォローしますね。夢主死亡ENDでも結末が違うの結構好きマン() (2021年1月5日 20時) (レス) id: 0a732f7346 (このIDを非表示/違反報告)
流花*。゚+(プロフ) - 奈黒さん» コメントありがとうございます!私の趣味を書き連ねました〜誰が殺したのかは知りませんケド。青い鳥の垢のフォローお待ちしてますね!!日常アカで大変なことなってますが…改めてここまで閲覧頂きありがとうございました!! (2021年1月5日 17時) (レス) id: 740beba36d (このIDを非表示/違反報告)
流花*。゚+(プロフ) - 蒼ネコさん» コメントありがとうございます!!面白いと言って頂けてとても嬉しいです!目の前で死なれたらまぁ、ずっと傷は残りますよね。一生癒えないのはとても大きいです。私の軸の柱たちはどうなるんでしょうね(他人事)。改めてここまで閲覧頂きありがとうございました! (2021年1月5日 0時) (レス) id: 740beba36d (このIDを非表示/違反報告)
奈黒(プロフ) - お疲れ様です。夢主が死ぬルートも良いですね。 話変わりますが青い鳥の垢間違えて消してしまったので鍵垢でフォローし直すと思います。 (2020年12月31日 7時) (レス) id: 0a732f7346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流花*。゚+ | 作成日時:2020年5月24日 21時