罠 ページ6
次の標的は誰にしようか選んでいた時のことだった。
ふわり
吐き気を覚えるような不快臭とともに目の前に現れたのは水柱と蟲柱。
この匂いの根源は蟲柱の香水だろうか。
気分が悪い。
折角満足感に浸っていたのにそれをぶち壊されたのはとても腹立だしい。
『ねえ、蟲柱さん。貴女何の香水を纏っているのかしら?すごく気分が悪いの。』
蟲「…さぁ、なんでしょうね。あなたもよく知っていると思いますが、」
……まぁ、いいわ。
どうせこの人たちもく音柱たちと同じ末路をたどる。
『そう、教えてくれないのね。残念だわ。
………じゃあお片付けを始めましょうか。』
地を蹴り、彼らの間合いへ一瞬で入り込み攻撃を仕掛ける。
あの風柱をも圧倒したのだ。
相手が柱二人だとしても手古摺ることはない。
どんどん彼らの顔が苦痛に歪んでいく。
しかし彼らが傷を負うごとに私の不快感は募る。
今にも吐き出してしまいそうだ。
特に蟲柱からの攻撃が近くを掠めたとき。
これは藤の花だろうか。
すっかり盲点だった。
これではうかうか遊んではいられない。
早く仕留めてしまおう。
私は蟲柱が攻撃してきたタイミングに合わせ、ぐるりと背後に回って肩から思いっきり刀を振った。
さすがは柱。本当ならすっかり胴体が二つになる予定で斬ったのだが、背中に深い傷がつくぐらいで避けられてしまった。
『チッ』
しかし致命傷を負ったのは事実。彼女は攻撃をやめ、肩で息をしながらこちらを見る。
水柱は彼女が怪我を負ったときから攻撃をやめている。
何か企んでいるのだろうか。
その時だった。
ぐらりと視界が歪み、立っているのもままならなくなる。
私はこの症状の原因である蟲柱を睨みつける。
彼女は不敵に口を歪ませていた。
1秒ごとに症状が悪化していく。
倒れることはなくとも、体が思うように動かない。
その隙を逃すまいと先ほどまで警戒するだけっだった水柱に加え、炎、霞も参戦。
先ほどまで圧倒的な差をつけていたのにじりじりと押されていく。
月雪はここからかなり遠いところで戦っているため、応援要請ができない。
霞柱が渾身の一撃を振るう。
私はそこで記憶を失った。
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流花*。゚+(プロフ) - Zeroさん» コメントありがとうございます!返信遅れてしまい申し訳ないです。条件、どうしましょう←(まだ考えてない)気分で作っているものなのでその時思いついた物になるかと思います!!なかなか更新できないですが、チラッとでも見てくれると嬉しいです! (2020年9月13日 7時) (レス) id: 740beba36d (このIDを非表示/違反報告)
Zero - エンド分岐とても面白いです!夢主ちゃんこれから喰われるかもしれないのですが、喰う代わりの条件を月雪に与えるのですか?「アイツらだけは許せないから代わりに復讐してくれ」な感じで。 (2020年7月13日 21時) (レス) id: 8b3c4733c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流花*。゚+ | 作成日時:2020年5月24日 21時