・ ページ13
・
頭がふわふわしてる。眠っているはずなのに、今までは第三者の視点だったのに、今私は知らない土地に両足で立っている。
腕も頭も動かせる。
………なんなんだろう。
辺りを見回してみると、少し前にヘチャンさんが見えた。
『ヘチャン、さん』
HC「また、自分の時間なのにジェミンに会いに行ってたんだ。酷いね。マークが決めたことだから逆らえなかったけど、君を殺してでもそばに置いておきたい俺の気持ち分かってる？」
『え、？』
まただ。また、私だけが知らない話をされている。
『アフロディーテ様が、ペルセポネ様は危ない人だから近づかないでって仰るから…。』
HC「ほらね、そうやってジェミンの言うことばかり信じる。俺がどんな人物か、自分の目で、体で、確かめることをしない。ほんとに憎たらしいよ。憎たらしくて、……………可愛くてたまらない。」
『ペルセポネ様…』
私は何も知らないのに、私の口は次から次へと言葉を発する。前にもこんなことがあった。
私はA。2年3組のパクA。ただの、女子高生だったはず。
JM「ふふふ。違うよ。君は高校生なんかじゃない。僕らと共にいるべき存在なんだよ。何千年も前からね」
『アフロディーテ様』
突然現れたジェミンさんに対して私の口はアフロディーテ、と呼ぶ。
JM「ここまで記憶の継承が上手くいかないとは思っていなかったよ。失敗。だからここ数百年はどうやって君を呼び起こすかばっかり皆と話していたんだ。器の君があの図書館に通ってくれて助かったよ。」
いつになく饒舌に語るジェミンさんは怖いくらいにニコニコしている。
JM「それで思いついたんだ。アドニス……君自身の本を読んだなら自身の最期がどんなものだったかは分かるでしょ？……そう、君はアレス、ジェノに殺されたんだ。あの時のジェノは僕にご執心だったからねぇ。」
JM「だから、もう一度ジェノが君を殺す。…といっても君の魂までは殺さない。余計な理性を持っている器だけを殺すんだ。そのまま僕達のように正しい器へと魂を還元する。そうすれば僕が大事にしまっておいたアドニスが帰ってくるんだ。」
正直ほんとに何を言われているか分からない。
私が、アドニス。私が、ただの器？
体は拒否してるのに、奥底の感情はすんなりと受け入れている。それがどうしても気持ち悪い。吐きたいのに吐けるものが何も無い状態。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 604人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうき(プロフ) - ドリムの子達でギリシャ神話読めるとは💚最高さがて悶え中です！素敵な供給ありがとうございます (4月1日 2時) (
レス) @page1 id: 466922bcc4 (このIDを非表示/違反報告)
- 神話系大好き！！ (3月28日 22時) (レス) id: e69a2fd2c3 (このIDを非表示/違反報告)
にゅ(プロフ) - ドリーさん» ご指摘ありがとうございます(T^T)引き続き楽しんで頂けたら幸いです、、！ (3月28日 18時) (レス) id: 4ed3a97a79 (このIDを非表示/違反報告)
ドリー(プロフ) - すみませんオリジナルフラグが付いてますよ‼️ (3月28日 13時) (レス) @page8 id: 64f588d139 (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しみ (3月28日 13時) (レス) id: 6ea9e976aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゅ | 作成日時：2024年3月27日 23時
