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「清川くぅん、彼女とかいるのぉ？」
「ねぇねぇ、好きなお菓子ってなにぃ？」
わかりやすく媚びを売る、間延びした甘ったるい声。耳に響くその声は、無関係な人物へ膨大なる不快感を与える。その声の元凶となっているのが……
「清川拓哉……まじでアイツらどうにかしろよ」
悪態を吐きながらふと零す牛沢は、先程の宣言のわりには鼻の下伸ばしてんじゃん、どーせ冗談だったんだな、と勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「うっしー嫉妬？ キヨくん来る前は、うっしーがあんな感じだったもんね」
女子に囲まれ満更でもなさそうなキヨを傍観しながら、ケラケラと無垢な笑みをうかべるA。休み時間の度に女子の声が飛び交うこの教室内は混沌と化していた。
以前であれば、囲まれているのは牛沢だったはず。それ程までに整っている彼の顔は、キヨにも負けず劣らずである。しかし目新しいもののほうが好きなのか、今日はキヨに軍配が上がっていた。
「(別に嫉妬しねぇよ。＿＿＿＿＿＿おまえ以外には)」
呑気に言うAに対してグッと言葉を飲みこんだ牛沢は、先程購買で購入したメロンパンを無造作に空け口に含んだ。
「やっぱりうっしー、なんやかんやゆうて食べるもん女子やなあ」
「ほんとほんと。とかいいつつ、レトルトも自分で手作りのお弁当持ってきてるの知ってるから」
「ほんなら、1番女子力無いのはAちゃんやな」
そんな会話は右から左へ、牛沢の耳を通り抜ける。その彼の少し大きめのブレザーの袖をくいくいっと引いて顔を覗き込む、人形の如く可愛らしい顔。
「ねぇうっしー、ぼーっとしてどしたの？」
▼
その彼女の一言で我に返る。
あぁ、そうだ。……こいつが、普段一切他人に興味を持たないこいつが、俺以外にこんなことするはずない。
そんな言葉で自分自身を説得させていると、ようやく先程の清川拓哉の宣言を引きずっているんだと気づく。
＿＿＿その幼馴染の方程式、ぶっ壊してやるよ
……いや、だから、か。
普段一切他人に興味を持たないこいつが、俺とレトルト以外の男をその透き通る瞳に映したからか。
でも
大丈夫。いつだって、どんな恋物語だって
幼馴染の方程式の解は
「……その方程式の解き方は……」
ハッピーエンドの解へのプロセスを
どうか、教えてください
その時、遠くでこちらを見つめた紅玉の瞳が鋭く光った気がした。
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琥珀糖。(プロフ) - ららさん» 温かいコメントありがとうございます！ よかったです、、頑張ります！ (2020年3月1日 17時) (
レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
らら - やばいです、！きゅんきゅんします！頑張って下さい応援してます！ (2020年2月18日 23時) (レス) id: 55f78e88a7 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖。(プロフ) - まめさん» 閲覧ありがとうございます。嬉しい限りです、、！ 頑張らせていただきます！ (2020年1月20日 18時) (レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖。(プロフ) - ゆなさん» そう言っていただけるなら本望です……！嬉しすぎました、、ありがとうございます。 (2020年1月20日 18時) (レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 初めて読みましたが、少ししか読んでないのにハマってしまいました^ ^ (2020年1月20日 12時) (レス) id: 2a8b718fbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀糖。 | 作成日時：2020年1月16日 18時
