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「キヨくん、その辺にしとき。あんまうっしーいじめんといてや」
張り詰めた2人の少年の空気を一掃したのは、柔らかく響いた鼻にかかる声であった。
「レトさん……」
「レトルト……つかおまえ、こいつと知り合いなのかよ」
キヨ、と呼ばれた襟足の赤い少年は、声の主を見て驚いたように目を見開く。一方、キヨと全く同じ反応をした牛沢は、先程から疑問に思ったことを口に出した。
「うん。やって俺ら、幼稚園の同級生やし」
その一言は、牛沢が今までのキヨの行動の疑問を晴らすには十分だった。「まぁ言えば、うっしー達みたいな幼馴染ってわけ」そうキヨも付け加える。しかしその表情は先程牛沢に見せた、卑しく腹黒い笑みとは打って変わって、無邪気に整った笑みを浮かべていた。
まじか、そう小さく呟き俯いた牛沢と、レトルトが初めて会ったのは小学生の頃であった。それ以前の話＿＿幼稚園時代の話は、たしかにほとんど聞いたことがなかったなと牛沢は整えられた髪をくしゃっと崩す。
「てか、んだよ2人して。さっきのレトルトのやつ、どーゆーことだよ」
自分だけ状況が飲み込めていない牛沢は不機嫌そうにレトルトに視線をやる。しかしレトルトは申し訳なさそうに苦笑するだけだった。それはまるで、小さな子供の失敗を見ているかのように。
そのレトルトへの問いかけに対して返ってきたのは、よく通る真剣な声だった。
「ごめんうっしー。ちょっとレトさんから話には聞いてたけど、うっしーのAへの気持ちが知りたくてさ」
どの分際で七瀬の名前を呼び捨てしてんだ、という想いをグッと飲み込んで、牛沢はキヨの大きな瞳に目をやった。
「なんでそんなことしたんだよ」
「……どれだけ、うっしーが本気なのか知りたくて」
数秒の間の後に返ってくる言葉に、牛沢は思わず「へ」と間抜けな声を上げてしまいそうだった。
「うっしーがどれだけ本気で好きなのか、試した。それは悪いと思ってる」
そして、次の一言が運命を変える。
「でも。
さっきの俺が言ったこと…８割本気なんだわ。
……ま、幼馴染の恋愛に入り込むなんて許されないだろーけど」
その発言はレトルトに対しても衝撃的だったらしく、彼はひゅっ、と声にならない息を上げた。しかし牛沢はといえば
「別にいーよ」
意外な返答にキヨの肩が大きく揺れる。
「別にあいつは俺のモンじゃねーし。ま、譲る気なんてさらさらないけど」
そう言い放つ牛沢は官能に笑みを浮かべた。
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琥珀糖。(プロフ) - ららさん» 温かいコメントありがとうございます！ よかったです、、頑張ります！ (2020年3月1日 17時) (
レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
らら - やばいです、！きゅんきゅんします！頑張って下さい応援してます！ (2020年2月18日 23時) (レス) id: 55f78e88a7 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖。(プロフ) - まめさん» 閲覧ありがとうございます。嬉しい限りです、、！ 頑張らせていただきます！ (2020年1月20日 18時) (レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖。(プロフ) - ゆなさん» そう言っていただけるなら本望です……！嬉しすぎました、、ありがとうございます。 (2020年1月20日 18時) (レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 初めて読みましたが、少ししか読んでないのにハマってしまいました^ ^ (2020年1月20日 12時) (レス) id: 2a8b718fbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀糖。 | 作成日時：2020年1月16日 18時
