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「そんときレトルトがさぁー」
朝日がキラキラと窓から差し込む教室に、クククと喉を鳴らしたうっしーの笑い声が響く。それに釣られてこぼれる笑みと、時折聞こえるレトルトの適当な相槌。
まだ早い時間で閑散としている教室は、私達三人が占領していた。早く起きるのは大変だけど、たまにはこれも悪くないかな、って謎の優越感に浸ってしまう。
そんなことを思いながらうっしーの方を見ると、カチリと音を立てて視線が交わった。
その彼の瞳は、どこか熱を帯びていて。綺麗に整った唇が、優しく弧を描いた。
跳ねる鼓動に気づかぬフリをして私も微笑を返すと、彼の男性らしい手が伸ばされた。刹那頭に感じた心地よさに思わずふふ、と声を漏らす。
セットした髪を崩さないように気を遣っているのか、優しく撫でる彼は何のつもりでこれをしているのだろう。
私を妹のように見ているのか。私の気を知ってか。それとも＿＿＿＿
「も〜早朝から何やっとるん」
そのレトルトの楽し気な声で、現実に引き戻された。普通の人なら憤慨に値するであろう私達の行動も、レトルトは静かに見守って喜んでくれる。良い友達を持ったなぁと思いながら、うっしーと二人で冗談交じりに何度も謝っていると、戸が音を立てて開いた。
私達だけしか教室にいないので、皆自然と音の方向に視線を移す。すると
赤い襟足が覗いた。
「え……」
不慮な人物に呆気にとられ、思わず小さく息を漏らす。すると本人は「あー……」と気まずそうに視線を逸らしながら頭をかいた。
「おはよ」
昨日の彼は想像できないような不愛想っぷりに、思わずレトルトと顔を見合わせ「んふふ」と硬い表情を解く。それと同時に、雰囲気も多少なりと和らいだ気がした。
「おはよキヨ君」
「おはよう」
「おまえら、いっつもこんなに早いのかよ」
よっこいせ、と倒れるように腰掛けるキヨを見ながらレトルトが口を開いた。
「んーん。今日はたまたま。あ、キヨ君も明日から一緒に学校いく？」
「えっ！」と嬉々としたキヨに、レトルトは「一緒に行こうや」と微笑を浮かべている。
彼の粋な計らいはキヨの喜色を露わにしたようだが、生憎私は素直に喜べなかった。
キヨがいるなら、もううっしーはこんなことしてくれないかなって。
他人といるときは常に気を張っているうっしーが素の表情を見せるのは、私とレトルトだけ。でも、そんな自分勝手な理由で断るなんて以ての外。だから
「賛成」
そう小さく放った
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琥珀糖。(プロフ) - ららさん» 温かいコメントありがとうございます！ よかったです、、頑張ります！ (2020年3月1日 17時) (
レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
らら - やばいです、！きゅんきゅんします！頑張って下さい応援してます！ (2020年2月18日 23時) (レス) id: 55f78e88a7 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖。(プロフ) - まめさん» 閲覧ありがとうございます。嬉しい限りです、、！ 頑張らせていただきます！ (2020年1月20日 18時) (レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖。(プロフ) - ゆなさん» そう言っていただけるなら本望です……！嬉しすぎました、、ありがとうございます。 (2020年1月20日 18時) (レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 初めて読みましたが、少ししか読んでないのにハマってしまいました^ ^ (2020年1月20日 12時) (レス) id: 2a8b718fbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀糖。 | 作成日時：2020年1月16日 18時
