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まだ昼間の熱が残存しているアスファルトに、乾いた二つの足音が響く。
私達を取り巻く空気は粛然としていて、ほとんど言葉が飛び交わない。この空気を緩和させようとキヨに話題を振るも、返答は「ん」の一点張りであった。
原因はおそらく私にある。生憎鈍感気質は持ち合わせておらず、先程の教室の出来事が素因であることはわかっていた。
でも、何故＿＿？
考えても思い浮かぶのは自惚れた答えばかりで、不純な考えに吐き気がし思考を止めた。
ふと、前を歩く長い影がぴた、と動きを止める。
「なぁ、おまえ何の部活入ってんの？」
何を言われるのかと緊張していたが、予想外な質問に思わず気が抜ける。
え、部活……？
きょとんとする私の表情を見て、ふっと頬を緩めたキヨは「だぁかぁら」と悪戯に私の顔を覗き込んだ。
「おまえの部活。何？」
「私は……この通り、帰宅部だけど」
そう応えると、キヨは熟慮の表情を見せた。
「ちなみに、うっしーは剣道……だよな？ レトさんは？」
そう聞くキヨに、レトルトからは聞いてないんだ……と思いながらも「私と同じ。レトルトも無所属だよ」と答える。
「キヨは？」
そういえば、転入生はサッカー部期待の新人だって噂されていたような気がする。だが今日、休み時間に女子が「清川君、バスケ部だったんだって」と話しているのを耳にした。
ということは、彼はサッカーかバスケに入るのだろうか。
「俺は……レトさんが帰宅部なら、俺もそれでいっかなー」
所望していた答えとは異なる返答に、思わず「えっ」と声を上げてしまう。
「運動部、じゃないんだ」
「んだよわりぃか」
そういわれると、確かに部外者の私には関係ないことだろうけど……
「運動神経いいって噂流れてたから……ごめんね、ちょっと意外で」
そういうと、不貞腐れた様に「えー」と声を出す。「じゃあ……」そう言いかけたキヨは、先程と全く同じ不敵な笑みを浮かべてこう言った。
「もしサッカー入ったら……おまえは見に来てくれたり、すんの」
・
・
｢じゃ、また明日な｣
そう甘いマスクで微笑を向けられる。
その後キヨとはかなり家が近いことが判明し、わざわざ彼は送ってくれたのだ。
｢また、明日｣
そして私は、静かにドアを閉めた。
▼
『見てみたい、かも』
目を逸らし、歯切れ悪く言う先程の彼女が鮮明に想起される。
｢ほんっと、もう……｣
今日ほど夕日に感謝した日はないかもしれない。
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琥珀糖。(プロフ) - ららさん» 温かいコメントありがとうございます！ よかったです、、頑張ります！ (2020年3月1日 17時) (
レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
らら - やばいです、！きゅんきゅんします！頑張って下さい応援してます！ (2020年2月18日 23時) (レス) id: 55f78e88a7 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖。(プロフ) - まめさん» 閲覧ありがとうございます。嬉しい限りです、、！ 頑張らせていただきます！ (2020年1月20日 18時) (レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖。(プロフ) - ゆなさん» そう言っていただけるなら本望です……！嬉しすぎました、、ありがとうございます。 (2020年1月20日 18時) (レス) id: 0adfd00f15 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 初めて読みましたが、少ししか読んでないのにハマってしまいました^ ^ (2020年1月20日 12時) (レス) id: 2a8b718fbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀糖。 | 作成日時：2020年1月16日 18時
