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真逆、記憶が無くなるなんて。
記憶が無いだけで、こんなにも不安になってしまうものなのか。
『私、私……どうしたらいいんですか。』
太宰「その様子だと、本当に記憶が無いんだね。記憶喪失というやつか。」
太宰さんにはっきりとそう告げられる。
そこまではっきり云われると、信じたくなくてもこの現実を受け止めないといけなくなる。
何で、私が。
何処からか沸き上がるこの思いが、とてつもなく辛い。
太宰「とりあえず、私に着いてきてくれ。」
太宰さんは私の腕を掴み、歩き始める。
私はそれに逆らう理由も特に無いので着いていく事にした。
___武装探偵社___
太宰「この子がさっき倒れてた子だよ。」
太宰さんは私を指差してそう云った。
私は数人程から感じる目線に耐え切れず、視線を下の方に向ける。
「で、この子どうするンだい。このまま此処で暮らすには危険が多すぎる。」
と、事務所の椅子に座りながら言う女性。
あれ、まさかの私の居場所的なお話しですか。
私は黙って話を聞く。
太宰「まあ、此処に置くというより、入社した方が良いかと思うがね。私としては。」
太宰さんの"入社"と云う言葉に他の人は驚く。
入社……っていうか此処、どういう会社なのかも分からないんですが。
困惑する私に、太宰さんは微笑む。
いやそんなイケメンスマイルやられても分からないって。
私は何も云い出せない。
太宰「彼女は恐らくだが、能力者だ。」
『へー能力者ですか。……え?』
太宰「中々面白い反応するね。」
と、太宰さんはグッジョブポーズをしてくる。
いや、そんな事より。
『私、能力者とか知らないんですけど。』
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作者名:Lin | 作成日時:2016年6月20日 7時