＿百十訓. ページ15
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はるか昔に滅んだはずの夜兎の母星に、人などいるはずもない死の星に、女は立っていた。
……灰色のマントについたフードが風によって取れると、女の整った顔があらわになる。
三つ編みに結い上げられた赤い髪、左耳に付けている赤い耳飾りに、その反対側になびく長い髪。そのどれもが美しくふわりと揺れた。
そんな圧倒的美女を目の前にして、とある男の棒も勃っていた。
「まさか本当に
女はそんな男に目が眩むことなく、立ち去ろうとする。そんな彼女に男は引き止めた。
「この星は、死んでなんかいないさ」
女は言う。土は枯れ水も腐り人はすめなくなったが、そんな枯れた土を食み生物は生き、腐った水を飲み生物は生きている。
自分が生きている、と。
「星に生きる無数の生物のうち
「………」
「帰るがいい、闖入者のためにまた星から一つ
待てという男の声を無視して先に進む女に追いつくため、男は全速力で走った。彼女は危険だと本能が感じていても、足を止め無かった。
「あ…あのォ、おっお嬢さん。よろしかったらこんなオロチより俺とオマタノオロチを退治しにいきませんか」
やっとの事で隣に並んで、女に言ったその言葉。そう言った直後、女に持っているの番傘を向けられ爆発に巻き込まれた。この状況でも男はこの女しかいないと感じ、三日三晩口説きら女も三日三晩オロチを沈めるために戦い続けた。
女が五十九本目のオロチを倒した時、後ろにいる男の方からぶちっと何かが潰れる音が聞こえる。
「俺の名は神晃。あんたの名は次来た時にでもきこう。徨安のヌシが許してくれたらの話だが」
「そんな事を言うために三日三晩付き合ったのか」
男は騒がせて悪かったなとこのまま去ろうとする。
女はそんな男にオロチは拒んでいたわけではないと。皆に忘れ去られたこの星を、私達を覚えている者が嬉しかったのかもなと。
女は続けて｢それと私は徨安のヌシじゃない｣と言い、そこで初めて女は小さく微笑んだ。
「＿＿＿…江華だ」
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波璃 - 3作品目おめでとうございます!今作も面白いお話を期待しています!更新頑張ってください!! (2020年5月21日 23時) (
レス) id: a6841af2ef (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - わーー！！！待ってました！！ありがとうございます楽しみです！！更新頑張ってください！(ありきたりな言葉かもしれませんが本心です笑) (2020年5月21日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なな | 作成日時：2020年5月17日 13時
