温厚篤実だなんて誰が言った【緑谷出久】 (ページ10)

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10.知名度向上ページ10

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後日、届けられた物を装着しC組の所有スペースに出るが誰にも気づかれず話しかけられず歩き回れた。見た目は漫画でよく見るグルグル丸眼鏡で不格好だが発目考案の頼りになる元だ。

「ねえ発目。アンタいつ暇？」
「暇じゃないです！」
「あたしの誘い断んのかよ。どーせ機械いじってるんでしょ？たまには付き合いなさいよね」
「あなたと食事する時間も惜しいんですよ」
「それどういう意味よ」

シンプルにお礼がしたいのに昼休みの時も工房に篭ってしまってこれじゃあ意味が無い。

仕方なーくあたし自身が工房へ向かってる。人の視線もないし来るとしたら先生目当てのサポート科生徒。たまにヒーロー科が来るのみ。つまり人の出入りがそこまでないのだ。あたしが求めてたうってつけの場所。

「今日は緑谷くんいないんですね。お二人はセットなイメージでした！」
「……アイツもアイツで案外友達いるらしいし、あたしなんて二の次三の次」

一にヒーロー二にヒーローのクソオタク。勝己が言う通り根っからのクソナードだよ。

「藤原Aちゃんだ〜！」
「えへへっ」
「きゃー！手振ってくれたぁ！」

「動物園でパンダがこっち向いた時の状況に似てません？」
「発目黙りな」

ニコニコと営業(アイドル)スマイルで手を振る。やっぱりあたしはこの機械音に溢れる工房が落ち着くのかもしれない。

……発目の失敗してる姿見るの面白いしね。

「そうそうこの間作ってくれた眼鏡SNSにあげたらすごい好評だったよ。同期の子も欲しがってたし」
「藤原さんってなんか有名人か何かなんですか？」
「それ今更なの！？」

すみませんテレビは見ないので！全く悪びれない様子で告げられる。あぁ折角No.1になったのにこういう人の目には全く止まらないのね。

「………」

少し変わった仕事でも受けようかな…。

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