_三十六訓 ページ37
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__…あれから数週間。
「よォ、遅かったな」
「悪い、待たせた」
日は既に沈み、空には星が散らばっている。そんなある日Aは、高杉から呼び出され地球の地面に立っていた。
なぜだかは分からないが高杉の珍しい誘いに彼女は喜んでた為今日を楽しみにしていた。
「……で?わざわざ地球に来て何をするつもりだ?」
行先もAは把握しておらず、前を歩く高杉の背中を追いかけていた。彼女は気になり高杉に聞いたが当の本人は、
「着いてこい」
これだけを言い放ち一人先に進む。そんな男の背中を見つめ、Aは優しい笑みを浮かべる。
___…
「着物屋……?」
「……入るぞ」
着いた先は一軒件の着物屋。
それも結構年季のある場所だ。見るからに高そうな着物が売ってそうな店にAは初めて見た子供のように目を輝かせた。
「あら、高杉さん。いらっしゃい」
中から出てきた黒髪を簪で纏め上げ、赤い着物を身を包む綺麗な女性だった。
そこでハッとした。もしかしたら愛人の紹介なのかもしれないと。
「頼まれた物は出来てますよ。奥にどうぞ」
「あァ」
「ちょッ、晋助」
ズカズカと進んでいく高杉。
Aは自分の着物を買いに来たのか、これから恋人を紹介するのかと考え出してアワアワもする。後者だった場合倒れるだろう。
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時