君に出会えた奇跡 in×ar (ページ15)

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14話ページ15

「ねえ、慧くん。」

「はい？」

「こんなこと聞くのもあれだけど、一人暮らし大変じゃない？？まだ高校生だし…」

気を使ってか、申し訳なさそうな顔でこっちを見る。

「いえ、もう慣れましたから…笑」

「そう…何かあったら、すぐにおばさんに言ってね。長い付き合いなんだから。」

「はい、ありがとうございます。」

「あとね、大貴のことなんだけど…「母ちゃんっ…」…大貴っ…！」

丁度、お菓子を持ってきた大ちゃんが話を遮る。

「えっと…？」

「あ、ごめんなさいね。ちょっと待っててもらえるかしら。」

大ちゃんママは席を外し、立っている大ちゃんのもとへ行った。

話し終わったのか、席に戻るふたり。

「ごめんなさいね、待たせちゃって。それより、このお菓子食べてみて？とても美味しいの～。」

「えー？俺的にはこっちのが美味しいと思う。」

「え～、こっちよー。」

「いや、こっちだって。」

戻ってくるなり、お菓子の言い合いをするふたり。
親子の漫才を見せられてる気分だ。

・

結局晩御飯まで頂いてしまった。

「晩御飯まで、本当にありがとうございました。では。」

「またいらっしゃいね～」

「ばいばい、慧ちゃん。」

「ふふ、ばいばい。」

久々に親子揃っての笑顔を見た気がする。

少しばかり、羨ましい。なんて思ってしまった。