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食事*48* ページ48

「・・・・・一期、今なんと言った?」





いつもより低く、威圧するような声で問うたのは三日月だった。





前で正座をしていた一期は、思わず唾を飲み込んだ。






しかし引くわけにはいかない。三日月を説得させなければならないのだ。






「・・・・・ですから、今すぐにその計画を止めて頂きたくこうして参りました」

「ほう?計画か」





何のことやら?と三日月はいつもの笑みで首を傾げる。






「(しらばっくれるおつもりか・・・・)」







しかし、そばに居た長谷部達は隠すつもりはないようで






「いい、三日月。別にこいつに知られたところで何の問題もない」

「おや?いいのか?」

「ああ。・・・・他言する口を無くしてしまえばいい話だ」






ギラリと光る刃先が、一期の目先に突き付けられる。





相変わらず物騒な人だ、と、どこか冷静に考える自分がいた。





なぜなら。





「長谷部、やめなさい。そうやって斬ればいいという考えじゃ、何も解決しませんよ」

「何の関係もない人を斬るのは良くないよ・・・・」

「・・・・チッ」






こういう時は、左文字兄弟が止めに来るからだ。





しかし流石にこの場に江雪はいない。彼には仲間を始末するという考えはないのだろう。





「それにしても・・・一期や、どこでこの事を知ったのだ?」

「五虎退からです。どうやら、うちの弟がお世話になっているようで」






ビクリと、視界の端が大きく揺れる。





そしてその人物は三日月の後ろに隠れてしまった。





「おやおや、随分と恥ずかしがり屋だなぁ」

「そのようですな。・・・・今すぐに出てきなさい、乱」





少しばかり威圧がかった声に、乱はおずおずと姿を現した。





「五虎退から聞いたよ。乱もこの計画に関わっていると」

「そ、それは、その・・・・・」

「ああ、五虎退を責めないでやってくれないか。強引に聞いたのは私だから」

「・・・・」





気まずそうに俯く乱に、他の刀には目もくれず一期は言葉を続けた。





こんなふざけた計画に加わった自分の弟を止めるために。





「こんなことに関わるほど、我が自慢の弟が出来ない子だとは思っていない。だからこそ知りたいんだ。乱は何故三日月殿に手を貸そうとするんだい?」

「っ、だ、って・・・・」





乱は今にも泣きそうな声で反論した。






「い、いち兄やっ・・・他の兄弟の大切なあるじ、さん、を・・・・殺したんだ、もんっ・・・・・!!」

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みかづち(プロフ) - 雨蛙さん» ありがとうございます!更新頑張っていきます!! (2019年6月1日 21時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙 - 本当におもしろいです!久しぶりにこういう話を読んだので続きが気になります(///∇///)更新頑張ってください!! (2019年5月19日 18時) (レス) id: 43a251e5e3 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 緑@最推し信濃さん» ありがとうございます!更新頑張ります!!(`・ω・´)ゞ (2019年5月4日 11時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
緑@最推し信濃 - めっっっっちゃ、面白いです!!!更新頑張って下さい!応援してます(^o^) (2019年5月4日 8時) (レス) id: a246b0d986 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - みるくてぃ@毒占欲の人さん» そう言っていただきとても嬉しいです!!もう一つの方も頑張って更新します!!! (2019年1月12日 18時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかづち | 作成日時:2018年12月20日 21時

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